11月26日に公開されたミュージカル映画「ディア・エヴァン・ハンセン」。大ヒットを記録し、トニー賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカルの映画化として話題を集めている。公開に先立つ前日の25日に、読売新聞にこんな広告が出稿された。

「歌があるから、乗りこえられる。」というキャッチフレーズと共に掲載されたのは、1枚の楽譜。これは劇中歌「You Will Be Found」の楽譜だ。英語の歌詞の下には、日本語の訳もついている。映画のビジュアルを使わずにあえて楽譜だけに徹した理由について、企画を手がけたクリエイティブディレクターの 橋口幸生さんは「『You Will Be Found』が作品を象徴する重要な曲であることを伝えたいと思いました。 楽譜が広告に使われることは少なく目立つのと、読める人は歌ってくれるのではという思いもありました」と話す。

今回、新聞の読者だけではなく、Twitterで広告を目にした人が拡散したくなる内容にすることも意識した。そのために、新聞広告とTwitterを組み合わせたキャンペーンを実施できる「The News Moment」という電通のソリューションを使用。新聞広告の画像を公式アカウントからツイートした。

結果、新聞の読者からは「弾いて歌いました」「コロナ禍で孤独を持っている人が多い中、気持ちが落ち着く」といったポジティフな反応が多数寄せられた。Twitterでも公開前日と公開日の2日間で計3300いいね、600リツイートを越す拡散を記録している。