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「ベストヒットUSA」に夢中だった青年が、音楽モノの演出で有頂天に
雑誌のインタビュー記事を読んだCDが激怒?
前回
は、下積み時代の僕が好きな音楽編集の仕事に携わり、評価いただいたことについて紹介しました。しかも超メジャーブランドの清涼飲料水。有頂天だった僕は、その後ふたつの失敗をしてしまうのです。
この作品、全日本シーエム放送連盟(現・ACC)の「ACC賞」を獲得しました。そんなこんなで僕は「新進気鋭の若手ディレクター」として雑誌『コマーシャルフォト』の取材を受けることになります。頭の中ではクリエイティブディレクター・坂田耕さんのアシスタントとして関わった作品、ということは意識から飛んでます。有頂天。僕はそこで「こんな企画よりもこれからはもっと新しい企画が評価される時代が来る」的な偉そうな発言をしてしまったんです。
雑誌が出るや否や「坂田さんが激怒してる」ということを坂田さんをよくご存知の薬師寺衛プロデューサーから言われました。「中島は偉そうなこと言ってるけどこの企画だって通すのにどんだけ苦労してると思ってるんだ。何にも知らないくせに売れっ子ディレクターぶって取材受けてとんでもない!」。大抜擢してくださりチャンスを与えてくださった大恩人に対して「恩を仇で返す」とはまさにこのことです。そのことに掲載されてからようやく気づいたんです。
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なかじましんや(CMディレクター)
1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。
1959年福岡県生まれ。1982年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業後、東北新社入社。83年CMディレクターとしてデビュー。主な仕事に、日清食品カップヌードル、ホンダステップワゴン、サントリーDAKARA/燃焼系アミノ式/伊右衛門、リクルートAirPAY/AirWORK、積水ハウス 企業CMなど。「カンヌ国際広告祭(現カンヌライオンズ)」グランプリ、「米IBA」最高賞など受賞多数。一方で東北新社の取締役、専務、副社長、社長を歴任したのち、2022年6月に退任。現職は顧問/エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター。東北新社のクリエイティブユニット「OND°(オンド)」を窓口に、CMディレクターとして活躍中。現在は東北新社グループ以外の制作会社の案件も受けられる体制を整えている。後進の育成にも力を入れており、宣伝会議のコピーライター養成講座やCMプランニング講座等で講師を務めている。東京ADC会員、武蔵野美術大学客員教授。
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