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音楽を志す若者を支援するTDKが提供した、ロンドン交響楽団との交流プログラム

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サー・サイモン・ラトルが指揮するロンドン交響楽団が9月末から10月にかけて来日し、国内各地を巡回した。新型コロナウイルスの影響で2020年から延期していた日本ツアーがようやく実現し、多くのクラシック音楽ファンがその音色に酔いしれた。

その中でもメインイベントともいえる10月5日、6日のサントリーホール、7日の東京芸術劇場で開催された東京公演に協賛したのが、電子部品メーカーのTDKだ。社会貢献活動の一環で、公演と並行して次代を担う若者に本場の音楽に触れる機会を提供した。

音楽を通じた社会貢献活動を継続してきたTDK

TDKは「創造によって文化、産業に貢献する」という社是のもと、世界各国で社会貢献活動を展開している。かつてカセットテープやCD、DVDなどの記憶媒体で知られてきたこともあり、音楽については特別な思いを持ち続けてきた。そのため音楽を通じて未来を切り拓こうとする若者への支援にも力を入れている。

そのひとつが本場のクラシックコンサートの協賛だ。2001年からは「TDKオーケストラコンサート」と題して、世界を代表するオーケストラの日本公演に協賛してきた。今年度は、先に挙げた10月5日から7日かけて開かれたロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra=LSO)の東京公演である。

LSOの日本ツアーに合わせて、次世代を担う若者を対象としたプログラムを実施した。対象は、東京・銀座にある中央区立銀座中学校の生徒たち。吹奏楽部の学生とLSO奏者との交流が複数回にわたって行われ、その集大成として東京公演直前の10月4日、同校の体育館で「アウトリーチミニコンサート」を開催した。

ロンドン交響楽団の金管奏者5人によるコンサート(銀座中学校)

銀座中学校とは2022年2月と4月に、LSOの管楽器奏者による同校吹奏楽部へのオンラインレッスンのほか、4月28日には銀座の時事通信ホールでレッスンの成果を発表するオンラインコンサートを実施している。オンラインコンサートはLSOの活動拠点であるロンドンの教会を改修したホール「St.LUKE」をつなぎ、YouTubeライブで一般にも公開、1カ月間の限定配信も行った。

金管楽器の奏者5人が体育館で圧巻の演奏を披露

10月4日のミニコンサートでは、金管楽器の首席演奏者などオーケストラを代表するトッププレーヤー5人が体育館を訪れ、全校生徒約415人と教員たちの前で演奏を披露した。予定していた5曲に加えてジャズの名曲であるバーリン作曲「踊るリッツの夜」も演奏するサービス精神を発揮した。

続いて、銀座中学校から返礼としてLSOのオンラインレッスンを受けた吹奏楽部のサックス奏者5人が演奏を披露したほか、3年生が校歌を合唱した。

コンサートのお礼に、LSOメンバーの前で吹奏楽部の5人によるサックス演奏を披露した

LSO“ドリーム”ブラス・クインテットへの質疑も行われ、「緊張してうまく演奏できない」という学生からの質問に対し、トランペット奏者のナイアル・キートリー氏から「緊張で問題になるのは呼吸。呼吸をしっかりすることを意識するといい。あとは演奏を聴きにきた観客の気持ちに応えようとすることが大事」とアドバイスが贈られた。

またサックスの演奏と校歌の合唱について、トロンボーン奏者のピーター・ムーア氏は「これだけの演奏には努力が必要。その努力に感謝します」、チューバ奏者のベン・トムソン氏からは「一糸乱れぬ合唱でした。指揮者、伴奏も素晴らしかった」と感想を述べた。

銀座中学校の平松功治校長は、ミニコンサートがコロナ禍の影響を受けた3年生にとって初めて校歌を合唱する場になったことに触れ、貴重な機会をもたらしたTDKとLSOに感謝の言葉を述べた。

参加した学生もLSOとの交流を通じて「オンラインレッスンではコロナ禍で発表の機会が限られた環境で、顧問や部員ではない人の評価を聞くことができた。しかもプロとして世界で活躍する演奏家からアドバイスをもらうことができて、刺激を受けた。今回のプログラムを通じて自分達の演奏がワンランク上がったように感じます」と話した。

ロックダウン中に音楽で勇気づけられた

10月6日にはサントリーホールでの公演を前に公開リハーサルが実施された。TDKの公式サイト内に「TDKオーケストラコンサート」公式ランディングページを設置。音楽を学ぶ学生をメインターゲットに、SNS広告を中心に雑誌「音楽の友」への広告出稿も行い招待観覧者を募集した。観覧には本公演の招待30席やDVDプレゼントなどの特典も用意され、600人を超える応募があり、当日も多くの学生が来場した。

公開リハーサルの模様。中央は指揮者のサー・サイモン・ラトル

リハーサルに先立っては、作曲家で東京芸術大学客員教授の千住明氏によるプレレクチャーとLSOのマネージング・ディレクター、キャサリン・マクダウェル氏による「コロナ禍でのLSOの活動について」の解説も行われた。千住氏は公演で演奏予定の楽曲について、その作曲家や制作背景について紹介した。

千住明氏は演奏楽曲の制作背景や作曲家について解説

マクダウェル氏は「1963年から何度も日本公演を行い重要な国と位置付けてきたので、これだけ長く来日できなかったことを残念に思っていた」と話し、再び来日できた喜びを表した。

また、1904年に創立したLSOは国や組織によってではなく、音楽家が自主的に集まって結成されたオーケストラであることについても触れた。ロックダウン期間中に行った過去のコンサートの無料ストリーミング配信や、オーケストラとして集まれなかった団員それぞれが自宅から演奏を配信した事例について紹介した。こうした活動には英国だけではなく、世界各国から称賛のコメントが寄せられたと話し、音楽が世界で求められているものであることを強調した。

ロンドン交響楽団の取り組みを説明するキャサリン・マクダウェル氏

ロンドン交響楽団の取り組みを説明するキャサリン・マクダウェル氏

プレレクチャーに続いて公開されたリハーサルでは、本公演を前に準備するオーケストラメンバーの様子を見ることができた。ラトル氏の指示によって、演奏の精度を高めていくリハーサルはライブの素晴らしさと、世界的オーケストラがいかにして人を魅了する演奏を創造していくのか、その過程を間近に観察できる時間となった。

若者の未来を支援する活動を続けていく

TDKはLSOの来日公演への協賛や今回のような音楽界での活動だけではなく、2022年に開催された世界陸上へのスポンサードなど、多方面で支援をおこなっている。同社広報グループの岡田壮右氏は「自分の力で未来をつかもうとする学生、アスリートなど、若者の未来を支援する社会貢献はこれからも続けていきます」と述べた。

学生との交流は、オーケストラ公演の協賛と併せて同社が重視してきたプログラム。これまでも、本社のある東京都中央区や創業の地である秋田県などから選定してきたという。東京公演の公開リハーサル、プレレクチャーにも銀座中学校の一部の学生を招待した。会場で本場の演奏に触れた学生からは、「音楽に携わるとはどういうことか、技術面だけでは学ぶことができないお話を聞くことができたことは貴重な経験になった」「オーケストラのサウンドを生で、サントリーホールで聴くことができたことが素晴らしかった」「何よりもモチベーションが上がった」といった感想が寄せられた。
 



お問い合わせ
TDK株式会社 広報グループ
TEL:03-6778-1055
EMAIL:pr@jp.tdk.com