コクヨは先行発売で人気だった筆記具「WRITING PRODUCTS(WPシリーズ)」2種の取り扱い店舗を、12月15日から全国23店舗に拡大した。クラウドファンディングでの先行販売では3000人以上が購入し、目標比54倍以上の売り上げを達成。すでに取り扱っていた2店舗では、販売開始から2日間でほぼすべて完売した。クラファン利用客に商品の感想をSNS投稿してもらうキャンペーンや抽選販売などのPR戦略が奏功したようだ。
「WPシリーズ」は「ファインライター」と「ローラーボール」の2品目で、書き心地の良さを追求して開発した。小売り希望価格はそれぞれ4000円(税抜)。いずれも先行販売で購入が多かった30~40代男性で、手書きにこだわるユーザーがターゲット。
当初は販売見込みも不透明だったため、顧客の期待感を高めるPR戦略に注力した。クラウドファンディング「Makuake(マクアケ)」での先行販売で、商品の特長や開発のこだわりを語り、想定以上の反響があったという。
商品が到着した8月末から9月17日まで、マクアケでの購入者に感想をSNS投稿してもらうキャンペーンをXで実施。期間中に300件の投稿があり、書き心地や本体デザインに関する内容が多かった。投稿者の中から抽選でリフィル(替え芯)をプレゼントした。
10月には抽選販売も実施した。応募総数1060人(当選者数40人)で当選倍率は26倍を超えた。Xなどで告知し、当該の投稿をリポストすることで当選確率がアップするキャンペーンで話題化を図った。
「ファインライター」は砲弾型の樹脂製チップを採用し、文字や図形、イラストを軽やかに書き出せることが特長。「ローラーボール」はゲルボールペンで一般的に使われる「ばね」を使用せず、粘度が低いインクを繊維芯で導く機構で軽い書き心地を実現した。
同社は「将来的には手書きに価値を感じているユーザーにとって、選択肢の一つに入るようなブランドを目指す」と意気込む。取り扱い店舗の拡大による売上見込みなどは非公開。
2024年1月19日にはリフィルの新色としてブラックとダークグリーンを発売する。希望小売価格は500円(税抜)。
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