近年のAIの発達は目覚ましく、AIは私たちの生活にとってより身近なものになりました。さらに近い将来、AIが人に代わって様々なタスクを自律的に行う「AIエージェント」が普及すると予想されています。AIエージェントが個人や企業の意思決定や行動にどのような変化をもたらすのか?シリコンバレーを拠点に活動するベンチャーキャピタリストであり、AIイベントのホストも務めるJeremiah Owyang氏に、AIの未来について聞きました。
ユーザーが寝ている間も非同期的に働くAIエージェント
──まずは、AIエージェントとAIアシスタントの主な違いは何か、またそれらがどのように併用されるかについてお伺いします。
これらの用語は業界全体でまだ広く受け入れられたり、明確に定義されたりしているわけではありません。ただ、「AIアシスタント」とは、通常アプリ内で動作し、ユーザーとリアルタイムで連携するものを指します。
例えば、AdobeがAIエージェントを立ち上げたとします。Adobeのソフトウェア全体やWebサイト内で機能する場合、それはAIアシスタントとみなされるでしょう。Microsoftで言えば、OpenAIの技術を利用したCopilot for Microsoft 365があります。これはDocument、PowerPoint、Outlook、Teams、その他にもわたって機能しますよね。
これらは、場合によっては非同期的な作業も含まれますが、ほとんどの場合は同期的です。そして、私が今投資している次のカテゴリーが「AIエージェント」です。これらは非同期的に動作します。
AIエージェントは、ユーザーが寝ている間や別の会議に出席している間に動作できます。どのアプリかは通常関係なく、複数の場所で動作できるのです。そして、AIアシスタントよりも知能が高く、自分自身でタスクリストを作成する能力があり、メモリを持っています。他のAIエージェントを採用し、どんどん賢くなることも可能です。