(左から)デザイナーの彌富妙さん、冨ヶ原由季さん、恩地遼平さん、鈴木咲絵さん。アートディレクター/デザイナーの森本一平さん、カンパニー代表/アートディレクターの髙木紳介さん。デザイナーの竹内理菜さん、熊谷圭悟さん。
グラフィックデザインを制作の中心に
たきコーポレーションは約400人のクリエイターが所属し、広告関連の制作会社としては国内最大級の規模を誇る。グラフィックデザインからデジタル、ブランディング、UXデザイン、動画・スチール制作などに至るまで、総合力を強みとして幅広い分野を手がけてきた。
そんな同社が2026年3月、アートディレクターやグラフィックデザイナーによる新たな社内カンパニー「CŌBŌ」を設立する。
在籍20年でカンパニー代表を務める髙木紳介さん、現場で10年にわたり活躍してきた森本一平さんのほか、20代の若手を中心に全9人のメンバーで構成される。以前から髙木さんが率いるチームで共に活動してきた面々で、「若手クリエイターの活躍の場や可能性を広げたい」と考えた髙木さんが経営陣にカンパニーを設立したいと提案したことが背景にある。「表現の選択肢が多い時代である今だからこそ、今一度グラフィックを制作の中心に据えて深く見つめ直そうと考えました。高品質であることは大前提としつつ、発信からアウトプットまで一貫して責任を持ちたい、という思いで新組織を立ち上げています」(髙木さん)。
カンパニー名の「CŌBŌ」には、AIの導入などによって効率化が進んだ時代において、旧来の“工房”のイメージを変革していきたいという狙いがある。頭文字の「C」には3つのC――クリエイティブ、カルチャー、クラフトの印象を刷新していこうという思いが込められている。「今回新たにカンパニーのロゴを制作したのですが、目指すイメージを反映させています」(森本さん)。
「CŌBŌ」は少数精鋭の専門チームとして、変化に強く柔軟な機動力も備えている。メンバーは通常のクライアントワークはもちろん、プライベートで音楽活動やイラストレーション制作、展示活動の自主制作に取り組むなど、個性豊かな面々が集結している。組織やチームの総合力を発揮することはもちろん、個人の専門性やキャラクターなどを活かしたプロジェクトにも意欲を示しており、働き方もアップデートを重ねたいと考えている。
特に髙木さんが率いるチームでは早くからAIを導入し、グラフィックデザインなどあらゆる制作プロセスで効率化を実現してきた点も特徴だ。「効率化の先にあるクラフトとは何かを突き詰めたい。その過程で生まれた余白を、最終的なアウトプットの強度を増していくことに使っていこうと考えています」(髙木さん)。
国際的に発信するプロジェクト実績も
メンバーのこれまでの実績として、マス広告を起点とした大型案件が多数ある。最近では、国際的に発信するプロジェクトにもその領域は広がりつつある。
代表的な例が、2026年で105回目を迎えるデザインの国際賞「ニューヨークADC賞」の作品募集キャンペーンにおけるビジュアルのデザインだ。「賞への応募を“デザインへの愛”と捉え、孔雀の求愛をコンセプトとして表現しています。賞の受賞者に贈られる立方体のトロフィーをモチーフに、105年分の立方体を重ねることで孔雀をビジュアル化しました」(森本さん)。同賞のエントリーサイトで公開されているほか、5月にニューヨークで行われる贈賞式の会場などでも、大型展開される予定だ。
The One Club for Creativity「NY ADC 105th」作品募集キャンペーン。
2025年には、新たに立ち上がった日本発の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」のロゴやトロフィー、パンフレット、その他ツール類など幅広く担当した。「錚々たる顔ぶれのミュージシャンらが手にしたトロフィーを手がけました。規模が大きく報道などでも多数取り上げられ、刺激的な仕事でした」(森本さん)。このほか、大阪・関西万博ではサントリーホールディングスとダイキン工業による水上ショー「アオと夜の虹のパレード」の広告物やツール類のデザインなども担当した。
カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)「MUSC AWARDS JAPAN 2025」。
サントリーホールディングス、ダイキン工業「アオと夜の虹のパレード」(提供:サントリーホールディングス、ダイキン工業)。
直取引の案件も増えている。特にメンバーの個性が発揮された例として、DJ機器・音響機器メーカーであるAlphaThetaの音楽制作機材「Chordcat」のプロジェクトがある。きっかけは、同社から「音楽に詳しいデザイナーはいないか」という直接の相談があったこと。そこでDJとしても活動している髙木さんに声がかかり、「Chordcat」のスキンデザインやパッケージ、ロゴなどを手がけた。
AlphaTheta「Chordcat」(AlphaTheta デザインセンター)。
このように新たなプロジェクトを次々と開拓し、「CŌBŌ」を“実験場”のような場にしていきたいと考えている。「グラフィックデザインの力を最大限発揮したい、可能性を広げたいという仕事があればご一緒したい。国内はもちろん、海外にも日本のクラフトの力を発信していけたら。絶対に『CŌBŌ』にこの仕事を任せたい、と今まで以上に言っていただけるようなチームになることが理想です」(髙木さん)。

宝島社/企業広告「嘘つきは、戦争の始まり。」。
NTT「Project Humanity」。
セブン銀行/連続ミニチュアドラマCM「第0会議室」。
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