クリエイターの皆さんに独自のお題を設定してもらいプレイリストをつくってもらうシリーズ企画。プレイリストはSpotifyでも公開中です。
「Electronic teenage dream」
先日、三軒茶屋の古着屋で菅田将暉風の店員に声をかけられた。「そのラルフローレン、90s のヴィンテージでマジ買いっす」。
なるほど、最近は90年代がヴィンテージ扱いになるのか。カッコいいというより懐かしい気持ちが上回ってしまい、自分がおじさんになったことを痛感する。10代の頃の服が高額なユーズドとして並ぶ店頭を横目に、あの頃を思い出す。
僕がちょうど青春期ど真ん中だった90年代後半~2000年前半あたり。ファッションと同じく、音楽もすごく豊かで刺激的な時代だった。中でも特に傾倒していたのがエレクトロニックミュージックで、パンクやミクスチャーの世界からテクノへのめり込んだのはThe Prodigy『The Fat of the Land』がきっかけだった。
当時はUK メジャーシーンではビッグビートが流行り、ハウス、テクノ、ダブ、ブレイクビーツ、ドラムンベース、エレクトロニカなどジャンルが細分化され、IDM のような実験的なものからフロア向けのビッグアンセムまで、クラブカルチャー隆盛の時期だった。『ele-king』や『remix』を愛読し、スペシャで海外アーティストのMV を拝む。
上京後、レコード屋はCISCO、ManhattanRecordsの赤、DMR、TECHNIQUEあとHOTWAX、クラブは西麻布YELLOWやMANIAC LOVE、WOMBあたりがカッコよかった。
ほんと水や空気のように良質なダンスミュージックを四六時中、吸収していた時代。かつて先輩が「15~20歳の間に見たり聴いたりしたものが、その人の感性を司っていく」と言っていたが、90年代後半~2000年にかけてそんな時期を過ごせたのは本当に幸運だった。
今でも、あの頃の音楽は全く色褪せておらず、むしろ魅力を増している。今夜、久しぶりに野田努の『ブラック・マシン・ミュージック』(河出書房新社)を読み直したくなった。
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