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ソーシャルメディア活用した「東北コットンプロジェクト」が被災地の復興に役立つ最先端の農商工連携研究事業(経産省)に採択

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津波被害で稲作ができなくなっている農地にコットンを植え、農業を再開してもらうことを目指し、アパレル関連企業とともに東北コットンを使った新事業を創造し、安定的な雇用を生み出すことを目指す「東北コットンプロジェクト」が経済産業省の「地域経済産業活性化対策費補助金(先端農商工連携実用化研究事業)」に採択された(1月31日、発表)。

発起人は、生産者の仙台東部地域「綿の花生産組合」、耕谷アグリサービス綿花栽培、JA全農(みのりみのるプロジェクト)、全国コットンサミット、事務局を担当するkurkku(クルック)の5者。ほかに製造・販売には多数のアパレルメーカーが参加する。

昨年実施された種まきから綿摘みまで、おもな活動の様子をプロジェクトのウェブサイトでみることができるほか、フェイスブックを活用してインタラクティブな交流の場も提供。ソーシャルメディアの活用法としても注目されている。

無農薬のオーガニックコットンは環境にも農家にもプラス

東北コットンプロジェクトに参加する企業は、無農薬コットンを生産地インドに広げていく支援のための「プレオーガニックコットンプログラム」を推進してきたという経緯がある。綿花栽培では、窒素肥料の使い過ぎにより農家の経営が圧迫されるうえ、温室効果ガスの一酸化二窒素を発生してしまう。無農薬栽培を推進することは農家の経営にとっても地球環境にとってもプラスになるが、無農薬農法開始から認定までの3年間は、オーガニックコットンとして認定されず、収穫量も減ってしまうため、この間、農家は約20%~30%の収入減となってしまう。そこで認定前のコットンを「プレオーガニックコットン」としてプレミアムをつけて買い取り、オーガニックへの移行をサポートするのが「プレオーガニックコットンプログラム」だ。

東北コットンプロジェクトを通じて「プレオーガニックコットン」の認知度アップにも期待が寄せられる。

[参加企業]
Tabio(発起人)、Lee(発起人)、URBAN RESEARCH(発起人)、UNITED ARROWS green label relaxing (発起人)、PRE ORGANIC COTTON PROGRAM、FRAMeWORK、LOWRYS FARM、Cher、plumpynuts、PLAY WORK、caqu、CIAO PANIC TYPY、REBIRTH PROJECT、日本航空、天衣無縫、らでぃっしゅぼーや、良品計画、髙島屋、haco.、そごう・西武、ステテコドットコム、メイド・イン・アース、アイトス、AZOTH、久米繊維工業、CIQUETO ikka、石崎商事

[協賛]

  • ap bank:主催イベントやwebマガジン等を通じた広報支援
  • H.I.S.:販売する航空券等の売上の一部を支援協賛金として東北コットンプロジェクトに拠出
  • 伊藤忠商事:ジニング(種取り)行程における機器援助、技術援助
  • 興和:世界的エコ繊維普及・啓発NPO「Texitile Exchange」等にてプロジェクトを世界に向け情報発信
  • UIゼンセン同盟:草取りや収穫時に必要なボランティアスタッフの援助。また収穫された綿花の輸送トラックの援助
  • 大阪タオル工業組合・大阪タオル工業組合青年部会:タオルの提供
  • 住友化学:綿の病害虫や雑草防除の提案、必要な農薬の登録取得
  • 豊島:支援金協賛、並びに綿花生産機器の調達支援活動
  • キョードー東北:現地イベントの運営サポート

[クリエイティブ]

  • good design company:東北コットンプロジェクトのロゴを制作。アートディレクション担当
  • EVOWORXweb:サイトのデザイン、制作を担当中野幸英写真を担当
  • POOL:コピーライティング、並びに全体ライティング監修
  • Tabaneo:ライティング担当
  • Noritake:イラストを担当

なお、今回平成23年度「地域経済産業活性化対策費補助金(先端農商工連携実用化研究事業)」の採択事業に選ばれた10事業は下記の通り。経産省では、これら商工業の技術・ノウハウと農業との連携を推進することにより、企業と農業の双方の成長・発展を目指す。
http://www.meti.go.jp/press/2011/01/20120131002/20120131002.pdf [PDF]

1.トラフグ陸上養殖の実用化

実施主体:株式会社ベリオーレ、吸着技術工業(株)、(株)ズコーシャ、東京海洋大学
実施場所:北海道士幌町
内容:バイオメタン発電の電気・排熱を利用したオゾン吸着浄化機能内蔵の閉鎖循環式陸上養殖システムによるトラフグの陸上養殖を実証し、併せて本技術のビジネス化を図る。
高純度バイオメタンを熱源とするオゾン吸着浄化機能内蔵トラフグ陸上養殖の実用化

2.ほうれん草等植物工場

実施主体:株式会社テクノーカ本部、イシダ(株)、千葉大学(環境健康フィールド科学センター)
実施場所:北海道中川郡幕別町
内容:植物工場でのほうれん草等の生産において、生産から袋詰めまでを高効率でライン化された自動化システムを確立し、国際展開も視野に実証事業を行う。敷地面積3.8haで、ガラス温室の他、育苗施設、水800トンをためるタンクなどを備える。ほうれん草は苗を升に移植後、平均25日で出荷。業員はパートも含め45人で、地元から採用する。

3.LEDを利用した省スペース型海藻種苗生産システム

実施主体:共和コンクリート工業のほか、(株)東和電機製作所、公益財団法人函館地域産業振興財団、国立大学法人北海道大学水産学部
実施場所:北海道函館市
内容:LEDの最適波長光照射と水温制御による省スペース型の新培養システムを実用化し、海藻種苗の高品質で安価な生産を実現する。

4. 超省エネ温室を活用した環境負荷低減型農業

実施主体:株式会社ベジ・ドリーム栗原
実施場所:宮城県黒川郡大衡村
内容:工業と農業の融合による超省エネ温室を活用した高い競争力のある環境負荷低減型農業の実現

5.ぐるなびが農水産品の新たなサプライチェーン構築実証事業

実施主体:株式会社ぐるなび
実施場所:宮城県の気仙沼市と塩釜市、福島県の会津若松市と郡山市、いわき市、茨城県つくば市の計6か所。
内容:東北地域農水産品の競争力強化のための新たなサプライチェーン構築実証事業。

6.新冷凍技術による農産物最適冷凍・保存システム

実施主体:株式会社川仙食品、東冷機工業株式会社
実施場所:福島県西白河郡西郷村
内容:新冷凍技術を応用したコントラクトフードサービス分野向けサプライチェーン構築のための農産物収集ビジネスモデルと最適冷凍・保存システムの実用化研究。

7.東北コットンプロジェクト

実施主体:有限会社イーストファームみやぎ、大正紡績株式会社、株式会社クルック
実施場所:宮城県仙台市
内容:津波被害で稲作ができなくなっている農地にコットンを植え、農業を再開してもらうことを目指し、アパレル関連企業とともに東北コットンを使った新事業を創造し、安定的な雇用を生み出すことを目指す。

8.B2B向け水産物電子取引市場の構築

実施主体:株式会社NTTデータ
実施場所:岩手県釜石市、静岡県熱海市
内容:B2B向け水産物電子取引市場の構築による被災地沿岸漁業の収益改善。

9. 再生可能エネルギー利用大規模施設園芸団地実現実証事業

実施主体:農業生産法人グランパファーム
実施場所:岩手県陸前高田市
内容:陸前高田市被災地における再生可能エネルギーを利用した大規模施設園芸団地実現実証事業

10.「かきオールジャパン」ブランドの確立

実施主体:かなわ水産株式会社
実施場所:広島県江田島市および呉市
内容:シングルシードかき養殖法・流通の高度化による「かきオールジャパン」ブランドの確立

人間会議2011年冬号
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