“毎日がエイプリルフール”の時代に企業は何を語るべきか PRのプロが指摘する「嘘」のリスクと成功条件

AI・フェイク時代に本物が重視される

AIの進化によって、現実と見分けがつかないコンテンツが日常的に流通するようになったいま、企業のエイプリルフール施策にも変化が求められている。PRの第一人者であるPRストラテジストの本田哲也氏は、「現在は毎日がエイプリルフールのような状態」と指摘する。

「AIの進化で、これまで現実的にはあり得なかったようなコンテンツがいくらでも生成できるようになり日々あふれている。加えて現実社会でも、国際情勢など含めて“あり得ない出来事”が次々に起こっている。生活者としては、何が起きるかわからない時代にリスクを避けたい、何が本当か慎重に見極めたいという意識が強くなっている」と語る。

こうした環境下では、従来の“ノリ”でのエイプリルフール投稿は通用しにくい。「あまり深く考えずに投稿すると、そもそもイラっとされるのが現在」と本田氏は続ける。

社会課題を軽く扱うと“常識のなさ”が露呈

実際、近年は企業のエイプリルフール投稿が反発を招くケースも見られる。特に目立つのは、生活者の不安や社会課題に接続した内容や、現実の施策と誤認されかねない“リアルすぎる嘘”だ。

ある外食チェーンの投稿では、生活に直結する商品(米)の提供停止を示唆するウソ投稿が物議を醸し、また別の企業では具体的な条件を伴うキャンペーン告知が“実施されるのでは”という混乱を招いた。いずれも「笑えない」「配慮に欠ける」といった反応が広がった。

本田氏はこうした事例について、「社会課題に絡めたネタは、その企業の関与がオーセンティシティ(本物性)でない限り、笑えないどころか“社会的な常識のなさ”を露呈するだけになる」と指摘する。

“バズよりリスク”の時代へ

かつては、アイデアやセンスによって話題化し、SNS上での拡散を狙う施策としてエイプリルフールは機能していた。しかし現在は状況が変わりつつある。

「以前はバズるメリットもあり、世間も寛容だったが、いまはリスクのほうが大きいのではないか」。本田氏は、企業にとって4月1日の発信が“遊び”ではなく、ブランドへの信頼を左右する行為になっているとみる。

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