神奈川県相模原市の広報誌の表紙に写るのは、同市在住でプロボクシング元WBC・IBF世界バンタム級チャンピオンで世界3階級制覇王者の中谷潤人選手、一方、同県座間市の広報誌の表紙を飾るのは座間市出身でWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手。5月2日に行われるダブル世界タイトルマッチで対決する2人——だが、両市の広報誌は仲良く奇跡のコラボを実現した。
コラボのラブコールを送ったのは、相模原市。2025年末頃に、海外メディアなどで2人の対決があるのではと話題になったことから、座間市に試合が実現した暁にはコラボをしようと提案。座間市も快諾し、試合も決まったことから、広報誌でのコラボが決まった。掲載に向けて、マッチに関係する企業や団体に交渉。3月の記者会見には両市の担当者がそろって出席してどのアングルにするかなどを相談しながら写真を撮ったという。
(左)座間市の広報誌(右)相模原市の広報誌
コラボということでデザインにこだわり、フォントの種類や大きさを緻密にそろえ、別の自治体でありながら同じように見えるよう工夫したという。また、互いの広報誌の表紙に、相手の広報誌のリンクをQRコードで紹介するなど、異例かつ奇跡のレイアウトも実現させた。
座間市では、広報誌を4万5000部発行。LINEを通じて読者の声を聞いており、市民からは「広報誌を楽しみにしている」「(両選手を)応援したい」などの反響が寄せられ、市外からも問い合わせがあったという。相模原市では、特別に通常より600部多い14万5000部を発行。駅のラックに座間市の広報誌と並べてPRしていたところ、両市の広報誌を手に取る人が多かったという。また、座間市同様、市外からの問い合わせも多く、「着払いでいいから送ってくれないか」などの依頼もあるというが、相模原市の広報担当者は「広報誌なので送ることはできず、取りに来ていただくしか……」と、うれしい悲鳴だ。すでに空になったラックがあるため、補充する予定もあるという。
両市の広報誌が並ぶ駅の配架ラック
相模原市の広報担当者は「広報誌の力を改めて感じた取り組みだった。今回のように、ボクシングを知らない人も巻き込んで応援することもできる」と効果を実感。座間市の担当者は「他市との連携で話題になり、メディアから取材される機会につながった。広報誌の存在感を知ったので、これからも挑戦していきたい」と話した。


