4月下旬だが、すでに日本各地で最高気温が25度を超える夏日も観測されている。気象庁が発表した5月~7月の3カ月予報では、日本列島は暖かい空気に覆われやすく、気温は全国的に平年より高くなる予想。最高気温40度以上の日を「酷暑日」と設定するなど、今年も暑さが厳しくなりそうだ。そんな中、空調大手のダイキン工業はエアコンの試運転を啓発し続け、毎年リリースを出している。また、今年初めて、試運転の実施状況に関する調査結果を公表。同社が調査の詳細や手厚いリリースを出し続ける背景には、インフラとなったエアコンの快適な利用を広めるための広報戦略があった。
ダイキンが提供している「エアコン試運転前線」
同社は2015年から、夏前の試運転を呼びかける「スイッチオン!キャンペーン」を実施している。本格的に暑くなる7月頃になってからエアコンの修理依頼が増えるものの、限られた人数のエンジニアでは素早く対応できずに客を待たせてしまうことから、試運転と、不調があった場合には早めに修理を依頼することを呼びかけている。
キャンペーンが奏功したのか、2025年時点での試運転の認知度は約7割に上った。一方で実施率は4割ほどにとどまり、気候変動などで年々熱中症リスクが高まっていることから、メーカーとして「しっかりと向き合うことが大事」と考え、ヒアリングを実施した。
その結果、試運転の条件である「最低温度で10分以上」という試運転の条件下ではなく、最低温度になっていなかったり、時間が短かったりと自己流での試運転になっているケースが約9割だったという。同社コーポレートコミュニケーション室の森重雄己氏は「インフラであり、命にかかわる事態にもなりえる。正しい試運転をぜひお願いしたい」と空調メーカーとして指摘する。
リリースには、試運転の正しい操作方法の他、自社の調査結果、消防庁や気象庁のデータなどを基に、数字やグラフを多用し、説明には論拠を付けている。また、試運転を実施するタイミングを図でわかりやすくまとめた「夏のエアコン試運転指数」や、試運転の予想日を日本地図で表した「夏のエアコン試運転前線」などの図解、加えて、エアコンの掃除方法を解説する動画まで盛り込んでいる。ダイキンがここまでリリースにこだわるのは、「消費者に届けてもらうため」だ。
試運転となる気温や指数を一覧できる表も提供している

