博報堂の生活者発想技術研究所は4月23日、「職場における感情に関する実態調査」の結果を発表した。大阪大学の山田陽子教授(社会学)と共同で実施している「感情ハック研究プロジェクト」による調査で、全国20~59歳の有職者男女661人を対象として調査した。
調査結果によると、「ネガティブな感情を抑えてポジティブな感情を表出することが得意な人が評価される」と回答した人は63.4%。仕事の場において「感情をコントロールすることも仕事のうち」と回答した人は72.2%にのぼった。
また、有職者のうち「仕事の場で、ポジティブな感情を表出することが得意な人と働きたい」人は都市部・その他地域ともに66%台の回答があった。
一方で、「仕事の場でネガティブな感情を抑えてポジティブな感情を表出することに、正直疲れている」と回答した層は、有職者全体のうちの58.3%。「仕事の場には感情を持ち込みたくない」が64.4%、「感情がなければできない仕事がある」が66.7%の回答率を見せ、感情を仕事に持ち込むことへの疲労感や抵抗感がありつつも、その必要性を看過できないという実情が明らかになった。
都市部では、より「感情労働」が必要とされる傾向に
前述の調査では、感情を抑制して仕事に取り組むことが仕事に与える影響は特に都市部でより強くなるという傾向が見られた。「ネガティブな感情を抑えてポジティブな感情を表出することが得意な人が評価される」と回答した人の割合はその他の地域と比較して6.4ポイント、「仕事の場でネガティブな感情を抑えてポジティブな感情を表出することに、正直疲れている」と回答した割合も他地域より6.8ポイント高い。
加えて、「仕事を通じて自己実現したい」は8.5ポイント「感情労働にやりがいを感じる」は4.1ポイント分、その他地域の回答者よりも回答者数が多い。
同研究所ではこの背景として、都市部ではサービス業やクリエイティブ職といった第3次産業の比率が高く、こうした職業では「感じの良さ」や相手の心を動かすことが価値となるため、自身の感情を活用する感情労働の割合が多くなりやすい可能性があると分析している。
また都市部は市場が大きく個人のキャリア形成における選択の自由度が高いため、個人の自己実現ややりがいが仕事に反映されやすいといった可能性を挙げている。





