榮太樓總本鋪がリップバーム状あめ「スイートリップ」のパッケージ刷新、テーマは「江戸の着物文化」

1818年に東京・日本橋で創業した老舗和菓子店の榮太樓總本鋪。展開されているブランドのひとつ「あめやえいたろう」から発売されているリップバーム状のあめ「スイートリップ」が、外箱のパッケージを一新した。パッケージリニューアルの狙いとコンセプトは何なのか。ブランディング・クリエイティブディレクターを務めているの岡部泉さんに話を聞いた。(本記事は『ブレーン』2026年6月号からの転載記事です)

榮太樓總本鋪といえば1818年に東京・日本橋で創業した老舗和菓子店として知られる。そんな同社では2009年から、伝統的な製法を用いながら新たなあめの在り方を追求するブランド「あめやえいたろう」を展開してきた。代表的な商品のひとつが、江戸の町娘の化粧文化から着想したリップバーム状のあめ「スイートリップ」だ。2月には中身はそのままに、外箱のパッケージを一新した。2009年の発売当初は10~20代向けだったが、今回は30代向けに再設定。インバウンド向けの販路拡大も狙いのひとつだ。

デザインを手がけるのは、ブランドの立ち上げ時から参画し旧パッケージも担当していた大極舎 イエローデータ 代表取締役/ブランディング・クリエイティブディレクターの岡部泉さん。新たなテーマを「江戸の着物文化」とし、外箱のパッケージには「紋」と着物らしい模様があしらわれている。紋のデザインは有平糖、ゆず、りんご、あまおう、ブラッドオレンジ、コンコードグレープという6種のフレーバーを起点に設計。たとえば「有平糖」の紋のモチーフは、江戸の町娘をイメージした「玉かんざし」。他の5種はそれぞれ果物の花や果実の形、断面などを表している。

箱の形状も直方体から曲線のあるピロー型に変更した。用紙はソフトな風合いが特徴の機能紙「タコパック」を使い、光沢がある柔らかい着物の生地「綸子(りんず)」の手触りと重ねた。模様を型抜き加工し差し色をのぞかせる工夫もあり、着物の裏地に華やかな色をしのばせる「裏勝り」という手法を思わせる。レイヤーを重ねることで色合いを際立たせ、立体感を生みだした。

このほか3本入、5本入のギフト箱も制作。着物の襟元に忍ばせる化粧ポーチのようなアイテム「筥迫(はこせこ)」をイメージした形状に仕上げた。

「贈呈用を想定した特別感を演出しています。日本らしさを前面に押し出すだけではなく、着物に込められた美意識を現代にも受け入れられやすく翻訳・編集したデザインであるべきだと考えました」。リニューアルから約1カ月。人気商品「板あめ 羽一衣」の同月分を上回るなど、売上は好調だ。

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