月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部をお届けします。
今回登場するのは、「ナイトカメラマン」として、世界各地の “暗闇の絶景” を追い続ける竹本宗一郎さん。広告の撮影にも携わった経験から、進化が著しいAIがクリエイティブに及ぼす影響や、その弊害、さらにはAIと共創する未来について話を聞いた。
※本記事の全文は、月刊『宣伝会議』5月号に掲載されています。
Q.これまで長年、広告や映像の世界に身を置いてきた竹本さんは、昨今の広告やコミュニケーションをとりまく状況をどう見ていますか。
特にSNSの普及によって、消費者は「作為的」なものに対して極めて敏感になりました。そのなかで、若者たちが素直に情報を受け入れるポイントは、「自分と等身大のものであり共感できること」だと考えています。
2025年に私が携わった映画『この夏の星を見る』でも、SNSでの「自然発生的な広がり」を重視。登場人物たちの本編には現れない日常を切り取ったショートムービーを戦略的に発信していました。
物語の裏側や、演者さんの素の表情を “等身大のコンテンツ” として届ける。こうした “意図を感じさせない仕掛け” ができるクリエイターこそが、今の時代、求められている気がします。
竹本さんがニュージーランドの洞窟で撮影したグローワーム。
Q.AIの発展について、お考えのことを教えてください。
AIに関しては、期待と懸念の両方を感じています。
まず映像でも、もはや本物と見分けがつかない状態までつくれるようになりました。クリエイターとしては、縦位置の動画が主流になったり、スクエアの縛りがなくなったりと、既存の枠組みから解放される面白さを感じています。ただそれと同時に、そのメッセージが本物かどうかをどう見抜くのかという、リテラシーの問題が無視できなくなっています。
しかし、自由なコンテンツ制作を規制で縛ってしまうのはつまらない話。理想は、AIでつくったものにはそれとわかる印やクレジットをつけるなどして、その表現自体をダイレクトに楽しむ文化が育つことです。
実写とAIが融合した面白い表現を、嘘としてではなく、ひとつのエンターテインメントとして享受する。そんな誠実な向き合い方が、これからの表現者にも、受け手にも求められていくと思います。
これからはAIを駆使しながら表現することが、新たなカメラマンのスタイルになる。もはやシャッターを押すこと自体がカメラマンのメインの仕事ではなくなるかもしれませんね。瞬間を切り取ることは重要ですが、伝えるための構成や演出を考えられるカメラマンだけが残っていくのではないでしょうか。
これまで竹本さんが撮影してきた写真。左/ハワイ島の最高峰マウナケア山頂に建ち並ぶ巨大天文台群。オレンジ色の月が沈む瞬間を狙ってペルセウス座流星群との共演を演出。右/2017年夏、黒い太陽が北米大陸を横断した皆既日食。輝度差の激しいコロナの繊細なディテールを4K映像で表現(米・アイダホ州)。
…竹本さんのインタビュー記事全文は、月刊『宣伝会議』2026年5月号に掲載しています。


