個人・世帯視聴率3冠で広告収入好調
テレビ朝日ホールディングスは、2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比4.8%増の3394億8700万円、営業利益は同32.9%増の261億8100万円だった。地上波広告収入やインターネット事業が伸長し、売上高と営業利益ともに上場来最高となった。
主力のテレビ放送事業は、売上高が前期比5.0%増の2487億5000万円、営業利益が同66.2%増の187億5800万円。視聴率3冠などを背景に地上波広告収入が拡大し、特にスポット収入が大きく伸びた。テレビ朝日単体では、スポット収入が前期比11.2%増の1052億3100万円、タイム収入が同2.3%増の815億4100万円だった。
2026年3月期決算説明資料より
視聴率面では、2024年と2025年の年間・年度ともに、個人全体視聴率と世帯視聴率で3冠を達成した。報道・情報番組では、「グッド!モーニング」が開局以来初めて同時間帯トップを獲得。「羽鳥慎一モーニングショー」は6年連続、「報道ステーション」は7年連続で同時間帯トップとなった。
ドラマでは、2025年度の民放連続ドラマトップ10に「相棒 season24」「緊急取調室」「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」「特捜9 final season」の5作品が入った。バラエティでは、全局バラエティ1位の「ザワつく!金曜日」をはじめ、「ポツンと一軒家」「マツコ&有吉かりそめ天国」「池上彰のニュースそうだったのか!!」などが週末レギュラーバラエティが寄与。スポーツでは、「サッカーキリンチャレンジカップ2025 日本×ブラジル」が個人全体10.4%、「WBC強化試合 日本×阪神」が同10.3%を記録した。
インターネッと事業は好調、ショッピング事業は転調
インターネット事業も伸長した。売上高は前期比13.3%増の360億8700万円、営業利益は同43.6%増の53億1000万円。TVerなどにおけるデジタル広告収入の拡大に加え、会員数240万人の同社運営のTELASAやサイバーエージェントとの共同運営のABEMAといった動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ販売が伸びた。
一方、ショッピング事業は減収減益となった。売上高は前期比9.0%減の184億円、営業利益は同28.1%減の10億8200万円。レギュラー通販番組や特番などの通販が想定より伸び悩んだ。
東京ドリームパークをIPの聖地に
同社は2月に、2026年度から2029年度までの4カ年を対象とする「経営計画2026-2029」を発表している。2029年度を開局70周年に向けたステップと位置づけ、2029年度に連結売上高4000億円、営業利益330億円を目指す。また新中計では、「START UP テレ朝!!」を掲げ、東京ドリームパーク、IP、ABEMA、CVC、AIを5つのキーストラテジーに設定した。
経営計画2026-2029より
東京・有明の新拠点「東京ドリームパーク」については、SGCホール有明、EXシアター有明、イベントスペース、ドリームテラスを備える複合型・多目的エンターテインメント空間と位置づける。テレ朝IPを展開し、多くの人が訪れる“IPの聖地”を目指す方針で、アニメ、マンガ、ドラマ、アイドル、番組イベント、ABEMAなどを横断的に活用する。人気IPイベントの国内展開やグローバル巡回展、物販などのIP二次利用収入、ファンダムビジネスにも広げる構想だ。
アニメIP倍増計画や海外展開を推進
IP領域では、すでに人気ドラマシリーズの映画化が収益化の柱となっている。「劇場版ドクターX FINAL」は興行収入32.8億円、「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」は14.2億円を記録した。アニメでは、夜帯に2枠を新設し、全国ネット枠を5枠に増やした。深夜帯では、23時15分以降を収益性とIP開発に重点を置いた「アフタープライム大作戦」と位置づけ、配信再生数、番組収支、IP力などを重視する方針を示している。
新中計では、こうした既存IPの展開に加え、アニメIPの倍増、配信プラットフォーム別の価値最大化、北米・インドなどでの海外IP展開を掲げる。中期経営計画では、アニメIP展開数を2倍、アニメ事業収支を1.5倍にする方針を示しており、大手出版社との連携やIPの二次展開、グローバル展開を強化する。
経営計画2026-2029資料より
2026年3月期決算説明資料より



