たった4年で果汁飲料No.1へ サントリー天然水「きりっと果実」累計6億本、天然水の王者が切り開いた “有糖飲料の可能性”

サントリービバレッジ&フードは5月12日、「サントリー天然水 きりっと果実 オレンジ&マンゴー」をリニューアルし、全国で発売した。あわせて、香取慎吾が出演する新テレビCM「出会ったね」篇、「出会ったね スカッシュ」篇を、同日から全国で順次放映している。

「きりっと果実」は、2022年に発売した「サントリー天然水」ブランド初の果汁飲料だ。インテージSRI+によると、2025年3月から2026年2月までの累計販売規模で、ペットボトル果汁飲料市場における売上No.1を獲得した。水ブランド発の果汁飲料は、なぜここまで支持を広げたのか。サントリービバレッジ&フードに取材した。

香取慎吾が出演する新テレビCM

同商品は発売以降、着実に販売を伸ばしてきた。2024年には「オレンジ&マンゴー」と「ピンクグレープフルーツ&マスカット」の2品計で販売数量1200万ケースを突破。2025年3月末時点では、「きりっと果実」をはじめとする「きりっと」シリーズ全体の累計販売数量が6億本を超えている。

サントリービバレッジ&フード ブランドマーケティング本部の黒島三都氏は、水ブランドから果汁飲料へと展開を広げた背景について、「発売以前から、当社ではフレーバーウォーターなどを通じて果汁系飲料にも取り組んでおり、清冽な天然水を生かした “有糖飲料” の可能性を感じていました」と振り返る。

2022年当時、すっきり系の果汁飲料は、まだ選択肢が多い状況ではなかった。一方で、みずみずしい果実を取り入れて活力を得たいという本能的なニーズはあると捉えた。そこで同社は、天然水を生かし、すっきりとごくごく飲める果汁飲料の開発を目指したという。

味わいは単一果汁ではなく、オレンジ&マンゴーなど複層果実のおいしさを生かした。さらに、1日分のビタミンが摂れる “身体にもおいしい” 設計とすることで、日常的に手に取りやすい商品を目指した。黒島氏は、こうした設計が「30~50代のミドル層が職場でも気兼ねなく飲める、新しい飲用シーンの開拓につながった」と分析する。

「天然水」への信頼が、果汁飲料にも波及

「きりっと果実」の成長を支えるのが、母体である「サントリー天然水」ブランドの強さだ。

「サントリー天然水」ブランドは2026年3月の発表で、国内清涼飲料水市場において8年連続売上No.1ブランドになったとしている。水カテゴリーにとどまらず、清涼飲料水市場全体で強い支持を得ているブランドだ。

黒島氏は、「サントリー天然水」が多くの生活者に支持されている理由について、「当社が創業以来“水を事業の根幹”と捉え、品質はもちろん、水源の保全からお客様にお届けするまでを一貫して真摯に磨き続けてきたことによる、ブランドとしての信頼感がある」と分析する。

国内の厳選した水源で育まれた天然水を、製造・品質管理の徹底とともに届けることに加え、「サントリー天然水の森」に代表される水源涵養活動など、将来にわたり良質な水を育む取り組みを続けてきたことも背景にある。

黒島氏は「“天然水ブランド” への信頼が、炭酸水や果汁飲料といった派生商品にも波及している」とみる。パッケージなどを通じて「天然水」と表現されていることが、購入の後押しになったという声もあるという。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事