パン屋で売る“パン専用茶” カネカ食品が「お茶ミルク」で広げるベーカリー販路

カネカ食品は5月11日、茶系乳飲料「ほら、お茶ミルク」の「鉄観音烏龍茶+ミルク」を発売した。6月には「ルイボスティー+ミルク」も発売する。主な販売先は全国のベーカリーと公式オンラインショップ。パンと一緒に飲むことを想定した“パン専用茶”として、ベーカリーを起点に販売を広げる。

「パンのそば」で飲料を売る販路を、次の商品にも生かす

カネカ食品が今回の新商品でも重視するのが、長年取引のあるベーカリー販路だ。

同社は2018年から「パン好きの牛乳」を展開し、累計2800万本を販売している。販売を支えた要因について、カネカ食品 乳製品事業開発 販売企画チーム チームリーダーの野津良一郎氏は、「パンが好きな人が集まる場所で、パンのそばに置かれていたこと」を挙げる。スーパーやコンビニの飲料棚ではなく、まず街のパン屋を中心に販売することで、パンを買うタイミングで飲料も選ばれる動線を作ってきたという。

「ほら、お茶ミルク」でも、この“パンのそば”という売り場設計を引き継ぎ、展開を広げる考えだ。

B2B事業の知見を、パンとの食べ合わせに生かす

「ほら、お茶ミルク」は乳成分を51%以上配合し、紅茶ではなく鉄観音烏龍茶やルイボスティーを使った茶系乳飲料として設計されている。開発の背景には、同社が長年、パン原料を卸してきたB2B事業の知見がある。パンの味わいや傾向に関する知見を生かし、食べ合わせを重視して味を設計した。野津氏によれば、お茶のすっきり感とミルクのコクを両立させることで、パンと合わせる飲料としての必然性を持たせたという。

ベーカリー導入を後押しする賞味期限と“棚にない味”

販路拡大に向けて大きな要素となるのが、賞味期限だ。「パン好きの牛乳」は店頭での販売期間が限られ、小規模店舗では「置きたいが回しきれない」という声もあったという。

新商品はチルドカップ商品で、賞味期限は90日。賞味期限が延びたことで、来店客数が限られる店舗でも扱いやすくなり、売り場をつくりやすくなる。

また、コーヒーや紅茶を提供するベーカリーは少なくないが、鉄観音烏龍茶やルイボスティーとミルクを組み合わせた飲料は、自店の飲料ラインナップではカバーしにくい領域だ。パンに合うことを前提に設計された茶系ミルク飲料を加えることで、既存の飲料メニューにはない選択肢を提示できる。賞味期限の長さと組み合わせて、販路の拡大につなげる考えだ。

初回購入の壁を、試飲とSNSで下げる

課題は、初回購入のハードルだ。野津氏は「商品名やフレーバーは挑戦的」とし、まずは飲用体験を広げることが重要だと話す。

具体的には、ベーカリーへの営業時に試飲を実施し、各店舗で商品理解を促す。あわせて、インフルエンサーを活用したSNSでの発信や、パン関連イベントへの出展も進めて、パンへの関心が高い層への認知拡大を狙う。

秋以降はスーパーなど流通向けの提案も進める予定だ。ただし、スーパーではパン売り場と飲料売り場が離れる可能性もある。パンとの同時購入をどう促すかは、今後の課題になる。同社は、パンとの併売施策や売り場提案も含めて、展開を広げる考えだ。売上目標は4億円規模。ベーカリーへの導入率は、「パン好きの牛乳」と同程度の40%を目指す。

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