KPMGジャパンは2026年4月、「日本の企業報告に関する調査2025」を発表した。
同調査は、国内企業の統合報告書やサステナビリティ開示の動向を継続的に分析しているもので、今回は従来の開示項目の有無に加え、「統合思考」の観点から企業報告を分析した点が特徴だ。
日本における統合報告書の発行企業数は年々増加し、2025年には1225社となった。日本は世界的に見ても発行数が多く、企業報告の先進国のひとつとされる。
こうした状況を受け、企業報告に求められる役割も変化している。マテリアリティやサステナビリティ関連情報の開示は多くの企業で定着しつつあり、「何を開示しているか」だけでは企業ごとの差異が見えにくくなっている。
投資家やステークホルダーが企業報告に求めるものも、財務情報だけでなく、企業がどのような社会課題を認識し、どのような価値を創造しようとしているのか、その実現に向けてどのような経営判断を行っているのかまで説明することが求められるようになった。
こうした背景から、企業報告は単なる情報開示の手段ではなく、企業価値向上に向けた考え方や戦略を伝えるコミュニケーションツールとしての性格を強めている。
注目される「統合思考」
そこで今回の調査が着目したのが「統合思考」だ。パーパスやマテリアリティ、戦略、リスクと機会、資源配分、成果といった価値創造に関わる要素が、どのようにつながりながら説明されているかを分析した。
統合思考では、企業がどのような社会課題を認識し、それをどのような戦略や事業活動につなげ、成果創出へ結び付けているのかを一貫したストーリーとして示すことが重要になる。
統合思考の各原則に基づくコア調査としてTOPIX100構成企業を対象に実施。パーパスやカルチャー、リスクと機会、戦略、パフォーマンス、ガバナンスといった項目の記載状況だけでなく、それぞれの関係性やつながりにも着目して分析を行った。トピック調査では、日経225構成企業の統合報告書、有価証券報告書の記述情報、サステナビリティ報告も調査した。