北海道釧路市は、市の認知度を高め、「選ばれる釧路市」を目指し、「KUSHIRO BRANDING PROJECT」を推進している。9月、市民参加型の投票プロセスを経て、新たなロゴとキャッチフレーズを決定。釧路市ブランディング戦略(素案)も公開した。同プロジェクトについて、釧路市役所 マーケティング戦略室 室長の天内武範氏に聞いた。
釧路市の新ロゴ・キャッチフレーズ。市民参加型の決定投票では、1万3301票(全体の58.9%)を獲得した。ロゴは、釧路市の自然の恵みを描き、夕日を配した。豊かな自然の中で感覚がひらき、急がない時間の中で心が整い、自分らしさを取り戻していく――。住む人も訪れる人も、自分らしい時間を過ごせる釧路市らしさを表現している。
━━「KUSHIRO BRANDING PROJECT」について教えてください。
釧路市は、さらなる認知度向上を図り、ふるさと納税先、旅行先、滞在先、二地域居住先、移住先として「選ばれるまち」になることを目指し、「KUSHIRO BRANDING PROJECT」を推進しています。
その背景には、水産、炭鉱、紙パルプという基幹産業の規模縮小や人口減少があります(釧路市の人口は2026年8月時点で約15万人)。安心して暮らし、働けるまちであり続けるためには、市民からも市外の方々からも「選ばれる」ことが不可欠です。
釧路市は、豊かな自然、食、都市機能、冷涼な気候などの多彩な魅力がある一方で、これらが断片的に伝わり、まち全体のイメージが散漫になりやすい点が課題となっていました。そこで、多様な魅力に共通する本質的な価値を見いだし、「これが釧路市」と言える核となるイメージを明確にして、ブランド構築に取り組むことにしました。
プロジェクトは、マーケティングとデザイン経営の考え方を取り入れ、有識者、市民、市内企業・団体、市役所が共創して進めています。全4回にわたる市民参加型ワークショップや市民アンケートを実施し、関係企業・団体との意見交換もしながら「住む人も訪れる人も、思い思いに自分らしい『時間』を過ごすことができるまち」というブランドイメージを定めました。
これをもとに、釧路市のロゴとキャッチフレーズを3案作成し、8月5日~16日、市民や釧路市を応援したいと思っている方々による決定投票を実施しました(投票方法は、市内全78カ所に設置した投票板での投票およびウェブ投票)。総得票数は、2万2598票。この結果は、ブランディングへの関心の高さを示すものです。今後は、ロゴ・キャッチフレーズによる統一したブランドイメージを基盤に、シティプロモーションとシビックプライドの醸成を両輪で進めていきます。
