愛知学院大学(愛知県日進市・名古屋市)は、創立150周年を迎える2026年、新たな大学広報のコミュニケーションを展開している。
7月11日に公開した新CMは、「オープンキャンパス」篇と「受験」篇の2本構成。夏のオープンキャンパス期から冬の入試期までをひとつのストーリーとしてつなぎ、公式YouTubeやSNS(Instagram、TikTok等)、中部地区でのテレビスポット放送などで展開する。
今回の狙いは、入試直前期に情報を集中投下する従来型の大学広報から、受験生との接点を長期間かけて育てる「線」のコミュニケーションへの転換だ。
愛知学院大学 入試センターの西川慈眼氏、企画・クリエイティブディレクションを担当した三晃社の榊原真氏、そして同大学卒業生で映像ディレクターを務める戸塚富士丸氏に、戦略転換の背景と映像表現へのこだわりを聞いた。
単発施策の「点」を、半年間の「線」へ
従来、大学広報では入試直前期である12月〜1月に情報を集中して届けるケースが多かった。しかし、同大学は今回、その定石から大きく方向転換した。
背景には、受験生の情報収集行動の変化がある。SNSや動画コンテンツの普及によって、高校生は早い段階から大学について調べ、志望校を比較・検討するようになった。西川氏は、直前期だけの接触では受験生の意思決定プロセスに十分関われないという課題を感じていたと話す。
「大学選びは単発の情報接触で決まるものではなく、複数回の接点を通じて信頼や共感が積み重なることで志望度が高まるもの。SNSや動画コンテンツの普及によって、受験生は早い段階から大学について調べ始め、志望校を比較・検討するようになった昨今、直前期だけの接触では受験生の意思決定プロセスに十分関われないという課題を感じていました」(西川氏)。
そこで、夏のオープンキャンパスから秋、冬へとストーリー性を持って情報を発信し、受験生やその保護者との関係性を継続的に築いていくことを狙いとして、年間を通じたコミュニケーションへと大きく舵を切った。
この「点から線へ」という全体設計を手掛けたのが、三晃社の榊原氏だ。
「大学のような大きな組織では、力を入れていることが一つひとつ個別に存在していて、外からはひとつの塊として見えにくい。オープンキャンパス、入試広報、150周年。どれも熱があるのに、点在したままでした」(榊原氏)。
そこで、これらを「時間でつなぐ」ことを考えたという。
「夏のCMと冬のCMを、二本でひとつの物語にする。サイトも季節で切り替わる。点で打っていた施策を、半年という線に引き直す。これが今回の解決策でした」(榊原氏)。
CM映像だけでなく、特設サイトも夏の「オープンキャンパス期」と冬の「受験期」で背景動画や誘導先が切り替わる仕様を採用した。「CMの中で流れる半年と、サイトを訪れる受験生の半年を、同じ速度で進めたかったんです」と榊原氏は説明する。
夏に出会った物語の続きを冬にもう一度見てもらう。受験生自身の時間の流れと、ブランドコミュニケーションの時間軸を重ねる設計だ。
特設サイトより。
愛知学院大学 CM「オープンキャンパス/受験」総集篇(60秒)。

