出版取次大手「日販グループホールディングス(HD)」が、日本の書籍を大量に米AI会社アンソロピックに売り渡していたとの疑いで、出版社団体「日本書籍出版協会(書協)」が照会文を出していたことをめぐり、日販グループHDの子会社で海外事業を手掛ける日販アイ・ピー・エス(IPS)が、日本の書籍を米AI会社・アンソロピックに無断で販売していたことを認めた。
アンソロピックを巡っては、米国の作家たちが書籍のデジタル化などで著作権を侵害されたとして米連邦地裁に提訴。裁判資料によると同社がアジアなどから大量に書籍を購入しており、その中に日販とみられる「Nippan Japan」との社名があったという。
このことから、日販がアンソロピックに対して大量の書籍を販売する契約を交わしていたことが米国の裁判資料から判明したと日経ビジネスなどが報道。アメリカのAI企業は購入した書籍をスキャンし、データ化した上でAIの学習に利用しているとされており、日販がアンソロピックに対して、AI学習の材料として書籍を販売していた可能性があるとみられていた。
書協は9月17日付で日販側に書面を提出。アンソロピックと具体的にどのようなやりとりがなされたか、また、再販契約を結んでいない海外の企業向けに大量・多額の取引をしたとすればどのような契約だったのか見解を求めていた。
関係者によると、日販IPSからの回答は10月5日付。2024年12月~2025年12月に日本の書籍をアンソロピック社に販売していたこと、また、その中に書協加盟社(会員380社、賛助会員6社)の書籍が含まれていたことを認めた。日販IPSとアンソロピック社の契約書には「AI学習に使用する」などの使用目的が書かれていなかったという。
一方で、販売した冊数や、どの出版社のどの書籍といった詳細については回答しなかった。今後は各出版社から日販IPSに問い合わせれば、対応するという。
イメージ(Unsplash/Hendrik Schuette)
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