ラーメンを食べていないのに、まるですすったような感覚を味わえる。実際には存在しない物体の触り心地を、AIが生み出す。そんなユニークな技術を電通が披露している。
千葉市の幕張メッセで10月16日まで開催中のデジタルイノベーションの総合展「CEATEC 2026(シーテック2026)」。国内電通グループ横断のクリエイティブR&D組織「Dentsu Lab Tokyo」は、「Playful Transformation」をテーマに、感覚やコミュニケーションの新たな可能性を探る体験型展示を展開した。
同社が見据えるのは、従来の映像や音声にとどまらない、新たな広告やブランド体験の可能性だ。会場では3つのR&Dプロジェクトと、来場者の動きをデータ化する取り組みを披露。現地で取材した。
ラーメンを食べずにすすった感覚を楽しめる「吸うラーメン」
ラーメンを食べずに「すする」
会場で注目を集めたのが、ラーメンを食べずにすすった感覚を楽しめる「吸うラーメン」だ。実際の麺やスープは使わず、香りと音を組み合わせることで、ラーメンをすすっているような体験を生み出している。
来場者は専用の装置を口に当て、醤油ラーメンをすする感覚を体験できる。香料会社の協力を得て開発した食品用の香料を使用しており、ラーメン特有の香りを再現した。
麺の太さを変える「替え玉」の体験も用意。細麺と太麺では、すすった際の感覚が異なるように工夫されている。
開発のきっかけは、チームメンバーのひとりが健康上の理由から塩分を控える必要が生じたことだった。ラーメンを食べられなくても、その楽しさだけを体験できないかと考えたという。
担当者によると、会場では宇宙関連の来場者から、宇宙空間での活用を期待する声も寄せられたという。今後はほかの麺類への応用や、食品の食感を研究する技術としての活用も考えられるとしている。
AIで架空の触り心地を生成
さらに、AIによって架空の物体の触り心地を生み出す「FANTOUCHIE(ファンタッチー)」も披露している。
来場者が言葉を入力すると、AIがその内容から触り心地を生成。専用デバイスから振動を伝えることで、実際には存在しないものに触れたような感覚を味わえる。

