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エドワード・ベル氏インタビュー『オグルヴィ発、ブランディングの新メソッド』

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インタビュー写真

オグルヴィ・アンド・メイザーは、ブランド構築の新しいメソッド「The big ideaL」を開発した。商品と消費者との関係性を超え、社会においてブランドが果たすべき役割、そのアイディール(理想、理念)を導き出す方法とは。

来日した、同メソッド担当のオグルヴィ・アンド・メイザー上海のエドワード・ベル氏に話を聞いた。

Q:「The big ideaL」とは何か。

「The big ideaL(以下、ビッグアイディール)」とは、ブランドと社会のかかわりを示すものだ。社会において、自分たちが果たすべき役割は何か、自分たちができると信じることがビッグアイディールと言える。

具体的には「ブランド×××は、もしも○○○ならば、世の中がもっと良くなると信じている」というフレーズで捉えることができる。

たとえば当社の場合は「オグルヴィは、私たちがブランド、企業や人間から本来の偉大さをひきだすことができれば世の中はもっと良くなると信じている」となる。

Q:ビッグアイデアとビッグアイディールの違いは何か。

ビッグアイデアを生みだすためのプラットフォームになるのが、ビッグアイディールだ。

これまで、企業は商品やサービス単位の技術革新に焦点を当て、そこから他社にはない自分たちのブランドの強みを見つけ、それをもとにメッセージを開発してきた。

しかし商品のコモディティ化が進み、機能的ベネフィットだけでは差別化が難しくなっている。さらに、情緒的なベネフィットを訴求するブランドもあるが、そこで定義される特性は抽象的な言葉で表現されることが多く、他ブランドとの明確な差別化を図る要素とはなりづらい。

そこで商品とターゲットとなる個人の関係性から、一歩上に行き、俯瞰的な視座からブランドと社会の関係を考える必要が生まれている。

性別や年齢、また国など、つながり方の選択肢が多いビッグアイディールを持つブランドほど、売上を拡大できる力を持っていると言える。

ビッグアイディールを明確にした後、国や年齢、性別などごとに、そのビッグアイディールをもとに、個々のコミュニティに響くビッグアイデアを考えていく。

Q:ビッグアイディールの開発において競合他社との比較という視点はないのか。

ビッグアイディールにたどり着くまでの過程では、競合他社の分析も行う。しかし、それはあくまで他社との比較からではなく、自分たちを見つめ直し自分たちが信じていることから導き出されるものだ。

ビッグアイディールを見つけることは機能的価値、情緒的価値を訴求する他ブランドとは違う土俵で戦うことを意味すると考えている。

Q:どのように導き出すのか。

ビッグアイディールは「文化的テンション」と「ブランドの理想像」により構成される。

まずは調査により、まず文化的テンションを明確にする。文化的テンションとは消費者のニーズをはるかに超越した、ブランドが取り組むべき社会課題である。

さらにクライアント企業の担当者とのワークショップを重ね、その課題の解決に対し、ブランドがどう貢献できるか、「ブランドの理想像」を考えていく。
ブランドの理想像にたどり着くまでのワークショップの過程が、ビッグアイディールのメソッドの要と言える。

今回、来日し、そのメソッドをレクチャーしたので、今後は日本でもビッグアイディールを提供していくつもりだ。

(詳細記事は、6月15日発売「宣伝会議」掲載予定)

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