2010年クリエイター・オブ・ザ・イヤーの受賞者によるトークセッション「JAAA クリエイティブ研究会」が14日、開催された。メダリストを受賞したモメンタム ジャパンの加藤哲志氏、BBDO J WESTの上野達生氏、博報堂アーキテクツの篠原直樹氏、およびクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞した電通の高崎卓馬氏が登壇した。
加藤氏は西友のKY(カカクヤスク)キャンペーンの事例を中心に紹介。キャンペーンの立ち上げから、震災後に展開したレジ募金施策まで、幅広い施策の全貌を紹介した。福岡を中心に活動する上野氏は、フンドーキン醤油などの代表作と合わせて、高知県の観光大使の仕事や、商品開発、地域活性NPO「なんか野郎九州」など、地域のクリエイターならではの仕事の幅の広さを見せた。
篠原氏は、自身の企画プレゼン術を披露。ビデオプレゼンを多用するという自身のスタイルを、レディー・ガガらを起用したKDDI Android auや東京ガス「涼厨」のCMで使用したビデオコンテを見せながら説明した。「プランナーとして、演出家と常に勝負するつもりで臨んでいる。コンテの段階から企画やセリフが大幅に変わってしまったら、プランナーの負けだと思う。ビデオコンテを作ることで、クライアントも限られた秒数にどれだけの情報を入れられるか理解しやすくなる」と持論を展開した。
高崎氏は、電通 田井中邦彦氏の言葉「なんかええなと思った。あとでふり返るとそれは広告だった。それでええねん」を紹介。広告界の中だけで評価しあうことに疑問を投げかけ、「広告は映画や音楽や小説と同じ土壌にある。その中で選ばれたものだけが、メディアや時間を超えて伝わっていく」と語った。「メディアの使い方が珍しいものが広告の未来なのではない。コンテンツの価値をどう作るかにこそ力を注ぐべき。広告がつまらなくなると、広告自体がやせていってしまう」と警鐘を鳴らし、いかに自走していくコンテンツを作るかが今の自分の課題であり、これからのクリエイターに必要なことだと締めくくった。
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