コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

マキシマムザ亮君が小霜和也の『ここらで広告コピーの本当の話をします。』を読んで・・・。

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【前回のコラム】「~最終章~おれたちの冒険はこれからだ!」はこちら

小霜和也氏の著書『ここらで広告コピーの本当の話をします。』の発売から約1年。これまで様々な読者から意見や感想が寄せられている。その中でも、最も小霜氏を驚かせた問い合わせは人気ロックバンドのマキシマム ザ ホルモンのマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)からのもの。この本の何に共感して連絡をしてきたのか。他の事例とともに、広告主の意識の変化、コピーライターとしての働き方を探ります。※最後には、亮君からの読書感想文?も。

クライアントは「価値」づくりで悩んでるんだゼ!

この本は、そもそも若手コピーライターのために書いたものでしたが、意外な方面からの反響が多かったんです。最も多かったのが企業の役員や宣伝部、いわゆるクライアントサイドの方々。あるいは公認会計士といった士業、自営業の方から感謝のメッセージをいただいたり。

本では商品価値をつくるコピーライティングとはどのようなものか、ということをテーマにしていました。まさに「価値」の作り方で悩まれている広告主さんが多いんだなあという印象を持ちました。

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いまや総合広告代理店にまるごと発注してワンストップでお願いするという流れが崩れて来ています。マス広告はこの会社だけどデジタルはこっちの会社で、といった具合に、クライアント側で代理店やプロダクションを使い分けるようになっている。そういう状況の中で、クライアントも「自分たち自身が広告の知見において一番上にいないといけない」という意識を持つようになってきていますね。

そういったある意味、意識の高い広告主からのご依頼やご紹介で仕事に結びつくケースも多々ありましたが、その内容は本当にバラバラ、いろんなバリエーションがありました。

ヒロインメイク「天まで届け!マスカラ」のコンサル依頼があったときは「それを俺に依頼する?」(笑)と。これはおかしな仕事が来たぞー(製品の中身は素晴らしいですよ!)と思っていたんですけど、マキシマム ザ ホルモンはさすがにそれすら超えました。

ミュージシャンですら自分で広告考える時代だゼ!

今回の本を読んで連絡をくれた方々の中で一番驚かされた発注主はマキシマム ザ ホルモンの中心メンバー、マキシマムザ亮君で、新しい映像作品集「Deka Vs Deka〜デカ対デカ〜」のプロモーションをいっしょにやってほしいとレコード会社通じてマネージャーに電話があったんです。彼女は最初、ホルモン屋が広告の依頼をしてきたのだと思ったらしく、なかなか話が噛み合わなかったと(笑)。

※編集部注 マキシマムザ亮君の「君」ですが敬称ではなく、「マキシマムザ亮君」までが呼称です。そのため敬称をつけると“マキシマムザ亮君さん”となりますが紛らわしいため以下、敬称略としています。

通常、音楽系のプロモーションって、レコード会社の担当が代理店や外部クリエイターと一緒に案を考えて、本人にプレゼンして承認をとるという流れ。でも、亮君はあらゆることを自分で考える人で、プロモーションも自分でアイデア出すんですね。大御所の歌手でも新作CD300枚とかって時代の中で、数十万枚のセールスにこだわって、それを達成し続けているのは、やはり自らの血のにじむような努力というかこだわりがあるからでしょうねえ。

彼は、自分の考えたアイデアに一本筋を通すというか、上手に整理してくれる人を探していたみたいです。コピーライターをそういう風に使う人もなかなかいないですよね。広告クリエイターの本をずいぶん読んだようで、その中で僕の本に響くものがあったらしい。どこに響いたのかはよく分かりませんが、僕の生き様みたいなところにロックな精神を感じてくれたのかもしれません。まあ、“伝わる!”とか“誰でもできる!とかいうタイトルが多い中、帯で”コピー1本で100万円請求する“とか書いていましたから(笑)。

「ああ、ファン向けのアーカイブ映像をまとめたものなんだな」ぐらいの、わりと軽い気持ちで引き受けたものの、内容を知るとまさに筆舌に尽くしがたいシロモノで・・・。

目立たずこっそり入っている「スタートアップDisc」がゲームになっているんですが、クリアしてパスワードを解読しないと他のDVDやブルーレイがいっさい見られないという・・・。それが、おまけのようなゲームではなく、ちゃんと解こうとすると何時間もかかる大作で。僕は自分でゲームを作ったことがあるから分かるけど、これは普通のゲーム会社に頼んだら1億円以上かかると思います。実際に本人から見せてもらったとき、ここまでやるのかと吐きそうになりました。オリエンで吐き気を覚えたのは初めての経験です・・・。

ゲームを実際に制作したのは電通の岡部君と太陽企画。聞いたところでは、最初はちょっとした面白映像を作りたいっていう話からどんどんふくれあがって、気がついたら大作のゲームになっていたと。亮君という人は、やり始めたら止まらない。それじゃあまだファンは驚かない、もっとこうしたら、もっとこうできないかと、どんどん広げていくタイプなんですね。そして僕にせよ岡部君にせよ、漫☆画太郎先生にせよ、パッケージイラストもNY在住の清水裕子さんに発注してるんですが、これぞという人を自分で一本釣りして巻き込んでいく、そのパワーもハンパないわけです。

次ページ 「目の前の商品を売るだけが広告クリエイターの役割じゃないゼ!」へ続く

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