【前回】「ケヴィン・ケリー「未来を決める12の法則」【前編】」はこちら
インタラクションの鍵はVRにある
30年先の未来を予測するための、二つ目のトレンドは「INTERACITING」(インタラクティング・相互作用する)です。
未来は、さまざまなモノにインタラクションが期待されるようになります。そして、インタラクティブであればあるほどパワフルであり、インタラクションできないものはまるで壊れているかのように扱われていくでしょう。
私はスティーブン・スピルバーグ氏が監督した映画『マイノリティ・リポート』の中で描かれた未来のコンピューティングを考案する手伝いをしました。映画の中で主人公は、指だけではなく体全体を使い、まるでダンスをしているかのように、さまざまなデバイスとインタラクションします。
この映画からも分かるように、インタラクションにおいて重要なテクノロジーは「バーチャルリアリティー」(VR)です。VRはもともとジャロン・ラニアーによって1980年代初頭に開発されましたが、その装置を開発するために多額の費用が掛かったため、長く普及しませんでした。そこに、スマートフォンが到来したのです。スマートフォンに搭載されている加速度センサーやスクリーン、ビデオプロセッサーといったテクノロジーはVRに使うことができます。
VRは、いくつかの種類に分けることができます。「没入型のVR」であれば、ゴーグルを着けることで、あたかも自分が別の場所にいるように感じることができます。例えば、部屋の中でゴーグルを着けると、初めはVRの世界でも同じ部屋にいるのですが、突然床がなくなり、崖の上に自分が立っているといった演出ができます。自分の脳のある部分は部屋の中にいると知覚しているため崖から落ちることはないと分かっていても、恐怖心から体は震え始めます。
「ミックス・リアリティー」(複合現実/MR)であれば、ゴーグルなどをかけることで、現実の世界の中に、バーチャルなモノを重ねて見えるようにできます。これは二つの世界を混ぜることで、バーチャルなモノをまるで本物のように感じさせる効果があります。
日本でも「ポケモンGO」がローンチされたと聞きました。すでに楽しんでいる人は、MRのパワーを感じていただけたかと思います。ゴーグルを使わずに携帯電話だけですが、それでも物理的な世界とデジタルな世界を結び付けることができたわけです。ちなみに私は皆さんより1週間先に始めていたわけですけど、まだレベル5です(笑)。
「電通デザイントーク中継シリーズ」バックナンバー
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・後編】(2017/12/16)
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・前編】(2017/12/15)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは?【後編】(2017/12/12)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは? 【前編】(2017/12/11)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【後編】(2017/12/02)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【前編】(2017/12/01)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎【後編】(2017/10/28)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎 座談会【前編】(2017/10/27)
新着CM
-
クリエイティブ
サントリー烏龍茶や月桂冠など定番6商品、ファミマカラー限定パッケージに
-
クリエイティブ
ズンズンペンギン、ヌンヌンアザラシ…海の動物が迫るマリンワールドの広告
-
クリエイティブ
新木優子がファッショナブルな間食を提案、湖池屋「ランチパイ」CMの裏側
-
AD
マーケティング
熱狂的なファンダムへアプローチ!これからのインフルエンサーマーケティングの作り方
-
広報
U-NEXT HOLDINGS、新社名にあわせたブランドコミュニケーション開始
-
クリエイティブ
「一言日記」のような言葉で心を捉えるルミネのコピー、約20年続く理由
-
AD
特集
成長企業の人材戦略
-
クリエイティブ
お米・人・製品への愛を表現、賀来健人をキャラクターに『亀田の柿の種』の新キャンペ...
-
マーケティング
味の素「丸鶏がらスープ」ロゴを商標登録 広告出稿やブランド想起など決め手に