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リテール産業の確立目指す 流通科学大が研究所開設

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流通科学大学(神戸市)を運営する学校法人中内学園は20日、小売り(リテール)の研究を行う「リテール科学研究所」を同大に開設したことを記念し、都内でシンポジウムを開催した。

研究所では小売りの社会的地域の確立や小売り分野の研究者の育成などの活動を行い、消費者目線の研究や情報発信を行う。所長は中内学園の中内潤・理事長兼学園長が務め、東京と神戸に拠点を置く。

東日本大震災では、届けられた救援物資が被災者に行き渡らず、また小売り店舗の被害や物流網の寸断は被災地の日常生活に大きな影響を及ぼした。こうした背景から、物品と消費者を的確に結ぶ「リテール」の重要性を見直す役割を果たしたい考え。

シンポジウムでは中内理事長があいさつに立ち、リテール科学研究所の使命について「若い研究者の育成と、リテールを産業として成り立たせること」と強調した。「従来のマーケティング研究はメーカー中心の考え方が主流で、価格や量の統制ばかりが語られてきた。最終消費者や、その手前にいるリテールの研究者は少ない」と述べ、消費者目線による研究に注力していく考えを示した。

続いて流通科学大の石井淳蔵学長が「リテールの社会的役割とは」をテーマに基調講演を行った。日本の小売りの歴史を振り返ったのち、現在の小売業を取り巻く課題について、「日本で培った資源が海外で通用するのか」「小売業に向けた、社会の共感は得られているか」と指摘。「学生が小売業について、夢あふれる職場と感じてもらえる社会にしていかなければならない」と述べた。

パネルディスカッションでは、セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長や、イオンの岡田卓也名誉会長相談役、日本チェーンストア協会の清水信次会長、新日本スーパーマーケット協会の横山清会長が登壇し、小売産業の活性化に向けて意見を交わした。