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博報堂DYメディアパートナーズ、60代女性のメディア行動に関する調査報告

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子育てを終えた60代女性は、メディアで「学びたい欲」を満たす

博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所(以下メディア環境研究所)は、社会の高齢化を踏まえ、夫の定年や子育てからの解放など、人生の新しいステージを迎える60歳代女性の生活者に注目し、メディア接触や生活意識、消費行動に関する調査を行いました。

今回の調査で、60歳代女性にとって、メディアは「学びたい欲」を満たしてくれるものであることが分かりました。テレビでは知的欲求を満たす番組を視聴し、人生相談コーナーを楽しむなどラジオでは生き方を学び、新聞は社会とのつながりとして生活に深く根付いている様子が把握できました。メディア接触行動に関する定量調査では、60歳代女性はマス4媒体の接触時間が性年齢別各層でもっとも長く1日あたり359.1分となっており、積極的にメディアに接触し「学びたい欲」を満たしていると言えます。

60歳代女性は、家族中心の生活から、自分の人生を過ごすというステージに変わる時期を過ごしており、家族の幸せだけではなく、自分自身も幸せで充実していたいという欲求が高いことがわかりました。テニスやスイミングなどアクティブに生活し、まさに「学びたい欲」を満たしている姿が見られました。

また、接触時間は少ないものの、パソコンでは新しいサービスや便利な機能にもチャンレジし、携帯電話は通話やメールといったコミュニケーションツールとしての利用に加えて、便利なサービスの利用意向も徐々に増えつつあります。60歳代女性は、マスメディアのみならずデジタルメディアに対しても積極的であることがうかがえます。

2007年に団塊世代が60歳代に突入し、一斉に定年退職するなど、これまで、60歳代の定年男性については注目されていましたが、60歳代女性の生活はあまり注目されていませんでした。しかし、60歳代という節目は、女性にとっても、夫の定年退職や子どもたちの独立など、人生の中でも大きな生活環境の変化を迎える年代でもあります。

今回の調査結果は、日本における総人口の約3人に1人が60歳以上であるという現状の中、60歳代の、特に消費活動の主導権をにぎっている女性のメディア行動を分析することは、今後の企業のマーケティングコミュニケーションにおいて、大きなヒントになります。

60代女性のメディア接触に関しての意識

子育てを終えた60歳代女性は、子育て期には忘れていた「学びたい欲」を持ち直し、空き時間に、身近なメディアで勉強、自己を磨き直します。目指すのは、知識を持った「なんでも知っているおばあちゃん」、能力を持った「なんでもできるおばあちゃん」、経験を持った「なんでもやったことのあるおばあちゃん」。

■マスメディアは、「知識」をつける学びのツールとして活用

  • テレビで、知的欲求を満たす。
    見る番組は、「学びたい欲」を満たしてくれる知識を増やせる番組。
  • ラジオで、人生相談コーナーを楽しむ。
    他人の話に共感したり、自己の幸せを再認識するなど、パーソナリティとともに心を満たす。
  • 新聞で、ニュースや時事問題を詳しく理解。社会とのつながりに。
    子どもから社会に目を向け、教養として世の中のことを知っておきたい。
  • 雑誌で、話題情報の収集や思い出懐古。
    週刊誌では、最近の流行、芸能トピックス、ビジネストレンドを把握。同世代の友達との話題づくりに。旅行雑誌では、「ここ行ったことあるわ」と、思い出に浸る。

■デジタルメディアではパソコンや携帯電話の使い方を学ぶことで、「能力」「経験」を増やす

  • 若者に負けず、パソコンも使い、携帯電話で絵文字入りメールも送れる「なんでもできるおばあちゃん」を目指す。

60代女性の「学びたい欲」とは・・・

60代女性のメディア接触状況(東京地区・性年齢別比較)

60代女性のメディア接触状況(東京地区・性年齢別比較)

60代女性のデジタルデバイスの浸透状況(3地区(東京都、大阪府、愛知県))

1、パソコンの利用状況
4割以上の60歳代女性が、パソコンを利用。約4人に1人は1日に30分以上利用し、1時間以上利用する人も1割にのぼる。路線検索など便利情報のみならず、テレビや新聞で気になった情報を調べたり、ネットショッピングをするなど、生活を豊かにするために積極的に利用。

パソコンの利用状況

2、携帯電話の利用状況
携帯電話でのメールは、4 割が日頃からよく利用しており、友人、家族とのコミュニケーションに活用。

携帯電話の利用状況

3、スマートフォンの所有意向
60歳代女性のスマートフォンの所有は現時点では低く、96%がスマートフォン非所有者だが、非所有者に今後の所有意向を聞いたところ、16.5%が「今後スマートフォンを持ちたいと思う」と回答。今後、スマートフォンの普及はシニア層にも高まると予測できます。

調査概要

定性調査: 首都圏在住で、夫を持つ60代女性9名に対するグループインタビュー
(2010年8月~11月で4回実施)
定量調査: メディア定点調査2011(※)から東京都、大阪府、愛知県の60歳代の集計結果を抽出(2011年2月実施)
※メディア定点調査2011
博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所が2004年から継続的に実施している生活者のメディア接触行動に関する調査。東京都、大阪府、愛知県、高知県で15~69歳の男女個人に郵送方式にて実地。2744サンプル回収。