コラム

広告の未来の話をしよう。COMMUNICATION SHIFT

今村直樹さんに聞く(後編)「広告づくりとは、一体感である」

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前編からの続きです。

今村直樹プロフィール
CMディレクター。東北芸術工科大学教授。サン・アドなどを経て、88年、今村直樹事務所を設立。2002年よりCM制作者集団ライブラリーを主宰。数多くの企業のCMを企画・演出。2011年、早稲田大学大学院公共経営研究科を修了し、地域活性化のための広告にも目を向けている。著書に『幸福な広告』(羽鳥書店刊)。
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僕らは、新しい「一体感」を模索しなくちゃいけない

並河:僕が、今村さんの著書の「幸福な広告」の中で、ぐっと来たのは、「一体感」という言葉なんです。

地域の産業の活性化につながる広告の仕事をしている、地域のクリエイターの方々を紹介しつつ、そうした仕事にあるような「クライアントとの一体感」を、東京の規模の大きな仕事でもつくっていくことを考えていかなくちゃいけない、新しい「一体感」を模索しなくちゃいけない、と書かれていました。

「地方の小さい仕事は、一体感があっていいよね」という話で終わらずに、その「一体感」こそが、広告の仕事には必要なんだ、と。

今村:一体感って、そんな大げさな話じゃなくて、ちょっとしたことでできるもの。

昔は、広告会社の営業の人の中に、「この人、クライアントでもないのに、なんでこの商品をこんなに好きなの?」みたいな人がいたと思うんです。クライアントの想いと一体になっている、そういう人が一人いるだけで、その人を頼りに、僕らはCMをつくっていけるんですよね。

企業の誰か一人でもいいから、一体となって仕事をする。それこそが広告。

並河:オフコマーシャルの試みで面白いなあと思ったのは、「CMを、頼まれてつくるのではなく、自分でつくればいい」と思って、つくった結果、クライアントであるシャボン玉石けんの方々と、とてつもない「一体感」が生まれているところです。

広告づくりから、お金とか、クリエイターのエゴとか、そういうものを一度ぜんぶ剥ぎ取ると、「企業との一体感」が残る。そう感じたんです。

広告は、自分ひとりでつくるものじゃない。企業と一体になってつくる、それこそが、広告ならではのこと。

一体感がない仕事が「いい」とか「悪い」とかじゃなくて、「一体感こそが、広告づくりなんだ」と思ったんです。

今村:ほんとうに、そう思います。

企業の誰か一人でもいいから、一体となって仕事をする。それこそが広告なんだろうなあ、と。

僕は、映像ディレクターである自分のことを、映像というモノづくりをするクラフトマンだと思っていて、だから、企業のモノづくりに携わる人と、もっと一体となって映像をつくっていきたいと考えているんです。

並河:素敵ですね。



お知らせです。
今村直樹さんの著書である「幸福な広告」の出版を記念して、
1月18日(金)19時から(開場18時30分)、山陽堂イブニングトーク今村直樹×並河進『広告って、何だっけ?何だっけ!?』を、表参道山陽堂書店にて行います。
お時間ありましたら、ぜひ、いらしてください。
ご予約はこちらから

次回COMMUNICATION SHIFTは、DREAM DESIGN 石川淳哉さんです。

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