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コラム

楽天大学学長が語る「EC温故知新」

一目見たら欲しくなって買ってしまう人が続出の「キケンなハンコ屋」がSNSでシェアされる理由とは?

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(3)自店舗内で比較モードを完結してもらえる品揃え

Eコマースかリアルコマースかを問わず、商売をやる人が知っておく必要があるのが「購買心理のステップ」です。諸説ありますが、ここではシンプルに「欲求モード」と「比較モード」の2ステップで考えてみたいと思います。

「しにものぐるい」でハンコを買った人の行動パターンを見ていると、ページを見て「欲しい!(欲求モード)」と思ったあとは、「買うか買わないか」という比較モードをすっ飛ばして「どれを買うか」という比較モードに入って、そのまま気に入ったものを買ってしまった人が多いようです。

ここで重要なのは、「自店舗内で比較モードを完結してもらえるだけの品揃え」です。「しにものぐるい」は、ハンコの目新しさで「欲求モード」にスイッチを入れ、豊富なラインナップすべてを見比べたくなってしまったお客さんが実際に店舗内を何ページも見回って「十分な満腹感」を味わえることによって、「これにしよう!」と購買決定できるのが大きなポイントになっています。もし商品数が少ないと、欲求モードのあとの比較モードで「ほかにもこういうハンコを売ってるお店がないか探してみよう」とお店を出て行かれてしまう可能性が大きくなるわけです。

「品揃えが豊富だと売上が伸びる理由」は、「欲しいモノが見つかるから」だけではなく、「自店舗内で比較モードを完結してもらえるから」なのです。

【全12回完了】連載へのご支援、ありがとうございます!

宣伝会議さんからチャンスをいただいて、隔週で続けてきた「EC温故知新」の連載ですが、当初から予定していた12回を完了いたしました。

おかげさまで初回から予想を超える大きな反響で、Facebookにたくさんの「いいね!」をいただいたり、週間アクセスランキング1位になるなど、楽しくやらせていただけましたこと、ありがたい思いでいっぱいです。

とかく「自動販売機」や「電子カタログ」と思われがちなネットショップですが、実際にはリアルのお店に勝るとも劣らない「お客さんとのコミュニケーション」が行なわれていることを少しでもお伝えできていたら幸いです。また、ネットやリアルのコミュニケーションを取り交ぜながら、お客さんとの絆を深めていくことこそが、これからの変化の激しい時代のなかで楽しく仕事ができるための方法である、というのもこの連載でお伝えしたかったメッセージの一つですので、こちらも受け取っていただけていたら望外の喜びです。

全12回、お読みいただきありがとうございます!

FacebookやTwitterで、一言でも構いませんので感想など伺わせていただければ、とてもうれしいです。

※この連載では、「EC温故知新」というテーマで、「自動販売機型のネットショップにはできない売り方」でお客さんを魅了する事例などを中心に紹介させていただきました。