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社会のためになる消費(4)自然と人をつなぐ新しい消費のあり方

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社会のためになる消費(1)(2)(3)に引き続き、『環境会議』2013秋号「社会のためになる消費」特集の一部をご紹介します。

取材協力
林 民子 ダブルツリー 代表取締役、NPO法人ソーシャルコンシェルジュ代表理事
四井 真治 パーマカルチャーデザイナー、土壌管理コンサルタント

持続可能な農ある暮らしを学ぶパーマカルチャー体験


夏でも涼しい木立に囲まれた四井邸

パーマカルチャーも、これからのエシカルな意識を高めるためのキーワードになると林さんは見ている。

ソーシャルコンシェルジュでは、自然と人をリスペクトするエシカルなライフスタイルを考える場として、四井さんとともに日本型パーマカルチャーを学ぶ「Food Forest Club八ヶ岳プロジェクト」を実施している。参加者たちの反応から、持続可能な農業を支えるエシカルな食への手応えを感じているという。

パーマカルチャーとは、永久を意味するパーマネント(permanent)と農業を意味するアグリカルチャー(agriculture)と文化を意味するカルチャー(culture)を縮約した言葉で、「人間にとっての恒久的持続可能な環境をつくり出すためのデザイン体系のこと」。文化というものは、永続可能な農業と倫理的な土地利用という基盤がないことには長くは続きえないことから農業と文化が複合したコンセプトとなっている(提唱者ビル・モリソン)。

八ヶ岳プロジェクトでは、会員は、月に1度、山梨県北杜市の森のなかにある四井真治さんのお宅とその近隣にある森や畑を訪れる。パーマカルチャーを実践しながら、2人の子育てをしている四井さんと奥様の指導の下、土づくりから種まきや収穫、収穫物の加工まで、1年を通じて様々な体験ができるプログラムだ。

たとえば、7月27日に行われたプログラムの場合、午前中は畑で夏野菜の収穫と次のシーズンの種まきなどの農作業、その後、地産地消の素材を使った昼食をいただき、午後は収穫後乾燥された麦の脱穀と製粉、クッキー作り。焼きあがったクッキーとお茶をいただきながら、四井さんの循環型の農ある暮らしについてお話を聞く。初参加者には、日本流パーマカルチャーの知恵を活かした四井邸の見学ツアーという流れとなっている(オプションで近くの温泉も楽しめる)。

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