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日本製紙と日本コカ・コーラ、森林の水源涵養機能を高めるため、2021年までの協働活動に合意

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日本製紙_コカ・コーラ「森と水とスマイル 豊かな自然をあしたにつなげる片品村プロジェクト」のロゴ・パネルを持った両社の代表。
左から藤澤治雄日本製紙取締役、芳賀義雄日本製紙社長、ティム・ブレット日本コカ・コーラ社長、ピーター・ミルズ日本コカ・コーラ副社長。

日本製紙株式会社(代表取締役社長:芳賀 義雄)と日本コカ・コーラ株式会社(代表取締役社長:ティム・ブレット)は、両社が協働で健やかな森を保つために中長期の取り組みを行う基本合意書を10月1日に締結した。正式名は「森林の持つ多面的価値の保全及び地域の持続的発展に関する協働基本合意書」で、期間は2021年3月31日までとなっている。

主な内容は、「持続可能な森林の育成・管理に関する日本製紙の知見と、水資源保全・保護に関するコカ・コーラの知見を相互に活かし、地域社会の発展につなげる」というもの。両社はそれぞれの事業活動を通じて、持続可能な社会の実現を目指し様々な分野で活動を続けてきたが、両社が近年特に力を入れてきたのが、日本製紙は森林資源、コカ・コーラシステムは水資源を保全する活動だ。

日本製紙は、生物多様性に配慮した企業活動を基本とし、長期的な視野に立って、地球規模での環境保全に取り組んできた。日本製紙が多くの製品の原材料として使用している木質資源は、地球環境や生態系と関わりが深い森林からもたらされる。そのため、産地の自然環境や地域社会にも目を向け、森林資源を持続可能なかたちで利用する仕組みづくりに取り組んでいるという。

一方、日本コカ・コーラは、全国8社のボトリングパートナーとともに事業を展開しており、「各エリアにおける地域社会の発展とサスティナビリティの実現が、ビジネス成長のための必須条件である」という前提に立ち、最も重要な原材料である水資源については、全世界で2020年までに工場で使用した水をすべて自然に還す「ウォーター・ニュートラリティー」を達成するという目標を掲げている。現在、専門機関の協力のもと、科学的な調査に基づいた涵養活動に取り組んでいる。

水資源と森林資源の関わりが深いことから、両社は今後、森林の水源涵養機能を高める活動として統合発展させるため、今回の協働活動締結となった。10月24日に開催された記者発表会では、日本製紙の芳賀社長と日本コカ・コーラのティム・ブレット社長が、「それぞれの経験と資産を最大限に活かし、地域社会の持続的発展につながる『森林資源』『水資源』の保全および保護活動に協働で取り組んでいく」と語った。

また、同記者発表会では、本協定に基づく協働活動の第1弾として、関東におけるコカ・コーラシステムの主力工場の水源地にあたり、日本製紙社有林の所在する群馬県片品村において、2013年11月から「森と水とスマイル 豊かな自然をあしたにつなげる片品村プロジェクト」を実施し、豊かな森林と水資源の保全を行うことを発表した。

プロジェクトでは、次世代環境教育のイベント(2014年2月開催)や、地域一体型 森林/水資源保全応援キャンペーン(2013年11月からスタート)が計画されている。後者では、売上げの一部を自然環境保護やそのための調査活動を行っている団体に寄付する計画だ。対象は群馬県立尾瀬高等学校自然環境科と、「シラネアオイを守る会」。シラネオアイは、日本固有種で絶滅危惧種のレッドリストに指定されている。

森林の水源涵養機能とその保全の重要性はかねてより指摘されているが、水・河川は国土交通省、森林は林野庁といった縦割りの壁などにより、体系的な対策が不十分だった。今回の2社の協働により、水資源と森林資源の統合的な保全の取組みが主流化することに期待が寄せられる。