コラム

「経営のとなりにあるデザイン」〜デザイナーに何をさせるべきか〜

「青山フラワーマーケット」に見る、購買体験から考える新業態の始め方。

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僕は仕事でよく、新業態開発の相談を受けます。新業態とは、スタバが実現した様な、新しい商品体験と購買体験を顧客に与える、既成概念に捕われない業態のことです。

ここで、新業態で新しいマーケットを切り開いたブランドとして青山フラワーマーケットのやり方を見てみましょう。

昔からある、街の花屋を思い浮かべてみて下さい。店頭の花は品種ごとに容器に分けられて陳列してあります。

街の花屋で花を買う場合、どの花を何本買うという目的が明確にない限り、予算を伝えた上で店員に花束を作ってもらうことになります。その場合の価格は、1000円以上が一般的ではないでしょうか。つまり一般顧客にとって、1000円からのオーダーメイドが街の花屋の業態です。

一方で、青山フラワーマーケットに行くと、ずらりと並んだミニブーケが店頭を演出しています。

ミニブーケはグラスブーケ、キッチンブーケ、ダイニングブーケ、リビングブーケ、エントランスブーケと、利用シーンに合わせた様々なサイズと価格で販売されていて、ミニブーケは350円からと御手頃な値段になっています。顧客は複数の選択肢を目の前で実際に見ながら、自分の利用シーンに合わせた花を購入することができます。

青山フラワーマーケットは、主に駅中に出店しているので、会社帰りのOLが、350円のグラスブーケを一つ買って、家のデスクのコップにそのまま挿して花を楽しむといった、気軽に手に入る日常的な花との付き合い方が生まれました。

また、青山フラワーマーケットの店舗デザインは、ヨーロッパの市場をモチーフとした空間デザインになっていて、買い物意欲をかき立てられます。

この青山フラワーマーケットの事例からは、「気軽」「提案」「販売単位の見直しと商品化」という新業態開発のキーワードが見えてきます。

青山フラワーマーケットの「気軽」とは?

オーダーメイド型の街の花屋で買い物をする時、どんな花束を作ってもらえるかわからないので、入店のハードルが少し高いですよね。

一方の青山フラワーマーケットのお店は、完成された大小様々のブーケが店頭に並んでいるので、自分の好きな商品を実際に見ながら買うことができます。

つまり、目の前に並んだ商品を選んでレジで買うという、日常的な買い物マインドで入れる気軽な花屋という業態になります。

青山フラワーマーケットの「提案」とは?

青山フラワーマーケットでは、様々なシーンに向けたブーケや、各シーンに合った花器を販売しており、花屋を、ライフスタイルショップへと進化させています。

そこにはインテリアの提案もあれば、毎日変る「本日のブーケ」等の提案もあり、行く度に顧客に発見を提供する、提案型の業態になっています。

青山フラワーマーケットの「販売単位の見直しと商品化」とは?

街の花屋ではオーダーで花束を作ってもらうので、それなりの価格を覚悟する必要があります。一方で青山フラワーマーケットでは、350円の小さなブーケから購入することができます。

さらに、それらに名称を付けることで、それぞれの販売単位に別々の商品価値を与えることができています。

この販売単位の見直しと商品化が、花屋を日常的に付き合える雑貨屋の様な業態に変え、顧客の来店頻度を上げることに成功しています。

この3つのキーワードは、様々な業種に応用できます。例えば商店街の魚屋さんや八百屋さんにも適用できます。ケーススタディとして、魚や野菜の新しい売り方を考えてみてください。

新しい購買体験ができたら、今度はそのお店がどんなデザインだったらワクワクするか考えてみてください。それが、新業態の作り方になります。

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