オリジナリティの高いブランド体験を構築することが新しい事業開発、またはブランドを差別化するうえで重要であると、ここまでのコラムでご理解いただけたと思います。
体験のデザインとは狭義で言うと、店舗やホテル、エアライン等、空間を介した物理的実体験を伴うブランドが対象になりますが、広義で言うと、商品開発や事業開発のプロセスも対象になります。
そもそも世の中の消費は「モノ消費」ではなく、「コト(体験)消費」で大半が構成されています。
家で眺めるためだけに車を購入する場合は「モノ消費」と言えるかもしれませんが、顧客が購入しているのは、車(モノ)ではなく、車を介して得られる行動範囲の拡張、選択肢の多様化、ドライブを通して得られる楽しい時間、つまり、人生を豊かにする「コト(体験)」です。
これらの「コト(体験)」を購入することを消費の目的とすると、車を所有する必要はなく、レンタルで十分と言えます。もちろん購入することで所有欲や体験のカスタマイズ、レンタルでは得られない利便性を満たすことができますが、安く「コト(体験)」を購入できるレンタルと比較すると、今の時代においては大きな出費と言えるかもしれません。
レンタカーやカーシェアリングは、車を介して得られる体験を時間単位で商品化したものと言えます。顧客の価値観は所有からレンタル、シェアへと向かっています。これは時代の変化に伴う自然な流れであり、メーカーが消費者の価値観を再び所有へと動かすことは難しいでしょう。
ならばメーカーはモノを作り売る、というビジネスから、モノの体験の仕組みの商品化まで踏み込む、カスタマーエクスペリエンスの構築に踏み出すことが必要ではないかと思います。
「「経営のとなりにあるデザイン」〜デザイナーに何をさせるべきか〜」バックナンバー
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