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“産声”でつくる、この世で一番未来な音楽 ――福岡・UBUGOEプロジェクトが生まれるまで

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UBUGOEプロジェクトを継続する

一生に一度しかない「産声」を音楽にし、オーケストラとコラボレーションするという前代未聞のプロジェクト。その記録映像は、新生児室で眠る赤ちゃんたちの姿から始まる。

「あなたにとって産声とは?」という質問に不安と期待で答える妊婦たち。19歳のシングルマザー、4人目の子どもを身ごもった母親、生まれてくる子どものために歌をつくる父親、「自然の中で自然に産みたい」と自宅出産を希望した母親、生徒たちの応援を受けた小学校の教員など、それぞれのストーリーが流れていく。

合間には、インビジブル・デザイン・ラボと九州交響楽団がこの音楽を制作する過程も紹介される。そして美しいメロディーをバックに、次々と陣痛を迎える妊婦たち。痛みに耐えながら出産に向かっていく姿が映し出され、オーケストラの奏でる音色が高まりを迎える。そこに重なるさまざまな赤ちゃんの産声で映像はフィナーレを迎える。

イベントで上映した時の様子 産院で録音した声とオーケストラの音を重ねあわせて一つの音楽に。制作はインビジブル・デザインズ・ラボを中心に行われた。

11月9日のお披露目終了後、12月には「UBUGOE」の映像を使った協賛企業のCM、そしてKBCで特別番組がオンエアされ、このプロジェクトでの取り組みは反響を呼んだ。

年内で「あしたのプロジェクト」の活動は終了するが、今永さんたちは今後UBUGOEプロジェクトとして継続し、この映像を短編映画として大学や病院ほか、各地で公開していきたいと考えている。

その第一歩として、ジョイセフがザンビアで進める「ザンビアにおける妊産婦支援プロジェクト」で、この映像を上映。国を超え、言葉がわからなくても、現地の母親となる女性たちにそのメッセージは伝わったという。

また、UBUGOEプロジェクトの協賛金の一部をチャリティとして、この地域に寄付している。

また12月23日には、九州朝日放送創立60周年記念特別番組「UBUGOE いのちの響き」がオンエアされた。それを受けて12月26日~から2014年1月7日まで、福岡KBCシネマにて同じく60周年記念特別映像作品「福岡・天神 時間旅行」とともに上映されることが決まっている。

「今回、自分も撮影に足を運び、あらためて命についていろいろと考えさせられました。作品を完成したときに考えたことが、“産声が、次の産声をつなぐ”ということ。

この未来に向かう力を福岡だけではなく、日本、世界へと広げていけたら、と考えています」。

次ページ 「ドキュメンタリー映像作品「UBUGOE」より。」