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従来型の広報手法を刷新すべき時(広報会議 編集長 上条慎)

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広報会議 編集長 上条慎

広報活動を対象別に「社外」「社内」と分けていた境界線が、いずれはなくなっていくと考えている。前者はメディアリレーションズや記者発表会、プレスリリースを主義務とし、後者は社内報やイントラネット、社内活性化イベントなど、という役割分担のことだ。

そもそも、社外と社内に分ける必要はあるのだろうか。メディアを通じて何かを発信したとき、それを最もよく見ているのは社員ほか関係者であることが多い。

一方、社員に対して発信したメッセージが、SNSを通じて公になるようなケースは後を絶たない。むしろ、社外と社内はつながっていると考えるのがこれからの広報ではないか。

情報流通のスピードが増し、手段が多様化する中、外と内で言っていることが違うような企業は特に要注意だろう。

メディアリレーションズをめぐっては、未だに新聞記者とのやり取りが第一にイメージされやすい。ほとんどの情報がWebを通じて拡散されていく今、ネット上での情報の伝わり方を意識した広報活動やメディア対応が「メソッド」として体系化されるべきにあるのではないだろうか。

プレスリリースの出し方ひとつを取っても、今はそれ自体が「コンテンツ」として消費者の目に直接触れるものであり、従来とまったく違うところにノウハウがあるはず。これからの広報パーソンはネットニュースやソーシャルメディアの仕組みだけでなく、SEOの知識などがあると強いだろう。

こうした動きの一方で、メディアや広報など情報を発信する者としての倫理があらためて問いなおされることになりそう。口コミマーケティングにおける「ステマ」の問題もそうだが、情報源があいまいになりやすいネットを利用する際は特に、自主規制による消費者保護の姿勢が求められる。

複雑化する広報の現場を導く新しい「手引き」が求められているのかもしれない。