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コラム

続・「広告なのにシェアされる」コンテンツ・マーケティング入門

niconicoの杉本誠司さんに聞きに行く!「脱マスプロモーションの方向性」(前編)

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隙を見せる方が、人間味を感じてもらえる

谷口:2013年の末に「ニコ生」で薪を燃えている映像を延々27時間放送する番組がありましたが、薪を囲んでユーザー同士が会話しているのがいい雰囲気でしたね。

*ノルウェーの公共放送局で、視聴率20%を記録し話題になった12時間、薪が燃えている映像を流した番組の、独占放送版。映像は、ノルウェーで放送したものではなく「ニコ生」オリジナル

杉本:企業のプロモーションの提案でも、あの手の企画は増えていくかなと思います。

谷口:ああいった番組について、企業さんの理解は得られ始めているんですか。

杉本:いえ、まだ「えっ???」という反応をされることも多いですが…。例えばメーカーさんに、「商品の企画会議の風景をそのまま流しましょう」と提案すると、企業の方たちは、バリバリと活発に意見を出し合っている風景を想像されます。

そこで僕らが「いや、意見が出ないで、どよ~んと空気が淀んでいるような、そんなだらっとした瞬間をそのまま流す方がいいんです。その方がコンテンツとして面白いですよ」と、言うと、「えっ???」という感じになりますね(笑)。

隙がある瞬間の方が人間味を感じてもらいやすいですし、それが企業に対する親近感にもつながると思うのですが、こういう提案は一定の理解は得られながら、リスクになると思う方も多くて、実現までには時間がかかりますね。

谷口:ただ、企業側も変わってきています。最近は、「広告の中でもっと商品をいじってくれ」と言われるケースが増えてきました。企業が自分たちでボケると、痛いことになりがちなので、第三者にいじってもらうほうが良いという判断なのだと思いますが。

杉本:それは、いい傾向ですね。

(次回に続く)



二ワンゴ 代表取締役社長 杉本誠司
1967年東京生まれ。89年桜美林大学経済学部卒業。気象情報会社のウェザーニューズなどを経て、2003年、ドワンゴに入社。ニワンゴの立ち上げに携わる。07年12月、社長就任、現在に至る。