コラム

IMCは3.0へ――日本企業に必要な「REAL MARKETING」

お客様”だけ”が神様でしょうか?

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【前回のコラム】「戦略PRは終わりました。」はこちら

私たちがマーケティングのプランニングをする際には、まず「消費者インサイト」の把握に注力します。それはモノがあふれた現代では消費者本人も気づいていない、潜在ニーズまで掘り下げることができなければ、新市場を創るような革新的商品やマーケティング戦略は生み出せないからです。

日本には「お客様(消費者)は神様である」という考え方があります。はたして、お客様”だけ”が神様でしょうか?

もちろん最終的に買っていただくのはお客様であるという意味においては、一番大事な存在であり、今後も神様であり続けることでしょう。しかし、そのお客様はモノやサービスを選ぶ際にどこから情報を得て、「誰」の意見に耳を傾けているでしょうか。また、「どこ」で買いたいと考えているでしょうか。

現代の消費者は高い操作性や品質といった、企業が発信する製品のスペック情報だけでなく、その製品やサービスの提供価値が自分にとってどれだけ役に立ち、有益なのかについて、メディアやそこに登場するオピニオン・リーダー、ネット上や友人知人などからの口コミ、店頭などから様々な情報を得ることができます。

消費者に情報が伝わる経路が以前に比べ、とても多様化していて、どのようなメッセージを誰から伝えるかといったことまで考えていかなければ、購買というアクションを起こしてもらうことはできません。

4者のインサイトを把握する

消費者にモノやサービスの情報が届くまでのプロセスには、多くの関与者とそれらステークホルダーの多様でマルチなインサイトが存在しています。そこで、私たちは「消費者」を含め4者のステークホルダーのインサイトを把握しながらコミュニケーションのプランニングをしています。

ひとつはメッセージを”世の中ごと化”してくれる新聞、テレビ、ウェブ媒体などの「メディア」のインサイトです。広告が以前ほどには効果を発揮しづらい今の情報環境においては、メディアでいかに大々的にその製品自体を真正面から取り上げてもらえるかも、ますます重要になっています。それゆえメディアもステークホルダーの一つであり、彼らのインサイトを把握し、いかに情報露出を図り、ソーシャルメディアでの波及につなげていけるかを考える必要があります。

加えて、各製品分野におけるオピニオン・リーダーたちとの関係構築も欠かせません。社会的な影響力を持つ専門家や著名人など彼らが発言、発信することでどのような世論が形成されていくのか?社会動向に影響を与えるオピニオン・リーダーのインサイト(本稿では「ソーシャル・インサイト」と呼びます)の把握は、今の時代のマーケティングには不可欠です。

そして、4者の中でも重要なのが実際に売り場を作っている「流通」のインサイトです。

流通のバイヤーたちは、消費者のニーズだけをとらえて扱う商品を決めているわけではなく、どのような売り場が求められているか、世の中がどのようなトレンドになっているかを考え、総合的に判断しています。主要な流通チャネルにどうすれば本気で「この商品を売ろう」という気持ちになってもらうことができるか?を営業担当者と議論しながら考えるのがマーケターにとって、もっとも大事なミッションのひとつです。

「売れ続ける仕組み」をつくるためには「消費者」だけでなく、今あげた「メディア」、「ソーシャル」、「流通」の4つのインサイトを的確に捉え、これらの4つのインサイトを基に、各ステークホルダーがwin‐winの関係を結ぶことができる事業全体の最適シナリオをデザインすることが重要です。

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