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コラム

ニューヨーク突撃記 PARTY NYCの挑戦

手を動かして、形にして勝負する。「幸せなものづくり」のプロトタイプ

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言語に依存しないと、世界に通じる。

一昨年にPARTYで実施した「OMOTE 3D SHASHIN KAN」(3Dスキャナと3Dプリンタで自分の立体記念写真をつくる期間限定サービス)は、さらにその方法を拡張したようなもので、クライアントワークではなくて、自分たちで投資して魅力的なプロトタイプをつくって公開して、話題をつくった上で同じ方法を使った仕事につなげていくというモデルでした。この場合は「未来の写真ビジネス」の原型でした。

 「OMOTE 3D SHASHIN KAN」関連記事はこちら

そういったアプローチだからこそ、言語に依存しないアウトプットを生み出すことができて、世界中で話題になってくれた、ということでもあると思います。

「言っても伝わらないからとりあえずつくる」という乱暴な解決がこういうやり方につながっています。

ニューヨークに来たのは、「海外でどうにかやっていく」ためではありません。問題は「海外に出てどうにかやりつつ、何をやるか」です。医者には冒頭のようなことを言われてしまいましたが、実はこれが、私がニューヨークでやろうとしていることにつながっていきます。

主治医の言う通り、ここでは言葉が通じません。7カ月でだいぶ改善されてきましたが、10年ここに住んでも完全に円滑なコミュニケーションを取れる気がしません。

つまり、ここではただでさえ不具合のある自分のコミュニケーション能力をさらに封じることになるのです。だから、日本にいたとき以上に「つくって公開するしかない」状況に追い込まれることができます。

日本で仕事をしていた際はそれでもこの仕事に慣れて、だんだんプレゼンが上手くなっていったりコミュニケーション上の苦労は減っていましたが、そのぶん、ものをつくっている時間が減っていきました。それをどうにかして、自分のやり方を明確にするためにも、敢えてあまりおすすめされていない海外で仕事をしてみることを選んだのです。ここでの自分は、つくって相手にぶつけることでしか生きていけないのです。

それでも言葉による説明や交渉が多いのは事実ですが、お蔭様で(?)ニューヨークに来てからは、コミュニケーションで頼りにされることは減りました。

つくってつくってつくりまくった7カ月