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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「情熱がなければ、最後の最後に負けてしまうんです」 ――マイクロアド・渡辺健太郎社長に聞く

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移動によって生じる空間の差異が創造力を広げる

——では、貴社を取り巻く最近の業界の動向について感じることを教えてください。

最近は「アドテクノロジー」という言葉がはやってきていますよね。でも、我々はその業界にいると考えたことはありません。

今までずっとインターネット広告の分野で仕事をしてきましたが、この分野を自ら「アドテク」と言ったわけじゃなく、周囲がそういう呼び方をしているだけです。

そうではなく、「我々のテクノロジーを使ってマーケティング領域をどのように拡張していくか」という点を重視しています。

例えばデジタルサイネージなど、インターネット以外の幅広い領域でも自分たちのテクノロジーを活かせると思っています。

今の「アドテク」という言葉は、ごく一部の領域しか表していないし、我々としてはもっと広い領域でテクノロジーを活かしていきたいと考えています

——最後に一つ。プライベートの趣味などから仕事のアイデアを得ることはありますか?

プライベートかどうかはあやふやなのですが、出張も含めて、移動が多い生活をしています。その移動距離の振れ幅はとても仕事につながっている部分だと思いますね。

——移動時間中に見たもの、聞いたものがヒントになるという意味ですか?

それもあります。ですが、一番影響しているのは「空間の差異」です。

私はマリンスポーツが好きで、サーフィンをやるのですが、「東京で仕事をしている」という世界と「週末に千葉へ行って砂浜を裸足でペタペタ歩く」という世界が両立することになりますよね。

すると、私という同じ人間でもいる場所や時間によって価値観が全然違ってくるんです。やっぱり、そういった別なマーケットや違ったライフスタイルというものを複数持って、たくさん経験することが創造力の幅につながります。

<取材を終えて>

「若い社員が多いからこそ、仕事に対する姿勢のレベルをしっかり体系化することが重要」「スキルよりも、そのベースとなる“教養”を身に着けなければさらなる成長にはつながらない」という言葉が印象的。

東南アジアへの積極的な進出、そして国内においてはデジタルサイネージの広告配信ネットワークをスタートさせるなど、新しいことにチャレンジを続けている同社。

新しいことへの取組について、よく「情熱さえあれば」と言ったりするが、同社の場合、その「情熱」の下には、ビジネスを強力に推進できる能力が積み重なっているのだ。


渡辺 健太郎
マイクロアド 代表取締役

1974年 宮城県生まれ、97年 東邦大学理学部情報科学科卒業、99年にサイバーエージェント入社。大阪支社の立ち上げ、「アメーバブログ」の立ち上げを行い、2007年、マイクロアドを設立。