メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

Twitter社が全面協力。SNSの闇を描いた映画『白ゆき姫殺人事件』で伝えたかったこと――私の広告観(6)映画監督・中村義洋さん

share

監督の一言が記事の見出しに!

3月10日、京阪中之島駅(大阪市)で本作の試写会場に向かう特別電車を走らせるプレスイベントが開かれ、主演の井上真央さんとともに中村監督は報道陣の前に姿を見せた。

中村さんが監督としてプロモーションに関わる際の信条は、「映画の良し悪し以前に、その映画の存在を知ってもらうことが第一優先」というもの。これまで多数の作品を世に送り出す中で、「メディアで発信されるのは映画のストーリーそのもの以上に、認知の“タネ”となる引っ掛かりがあるか否かが重要」と気付いたのだという。

そんな中村監督のプロモーション時のパフォーマンスはサービス精神旺盛で、エピソードに事欠かない。

2008年2月公開の『チーム・バチスタの栄光』(竹内結子、阿部寛主演)では、『デスノート』のスピンオフ作品『L change the WorLd』(松山ケンイチ主演、中田秀夫監督)と封切りが重なった。そこでいかに『バチスタ』にも注目を集めるか考えた結果、中村監督は自ら舞台挨拶の壇上で、マスコミを前に「バチスタ change the WorLd!」というフレーズを放ったのだ。

すると翌日のメディアでは「バチスタもスピンオフ作品決定か」「バチスタメンバー、松山ケンイチに対抗心!?」といった見出しの記事が次々と掲載され、スタッフや関係者も監督の機転に感激。「初週の結果は負けましたけどね。中田秀夫監督も昔からの知り合いなので大目に見てくれるだろう、と(笑)」。

2013年1月に公開された『みなさん、さようなら』(濱田岳主演)のプロモーションも、監督の機転と俳優のキャラクターに助けられたエピソードがある。同作は全国で40カ所程度の上映館数、出演も若手俳優が中心のため、メディアに大きく取り上げてもらうにはハードルが高い作品だった。その中で中村監督が着目したのが、主演の濱田岳を徹底的に「いじる」作戦だった。

「濱田岳が共演の倉科カナちゃん、波瑠ちゃんの胸を触るシーンがあるんです。その話を完成披露試写会で持ち出して、『衝動的な揉み方だった』と僕がけしかけて(笑)。すると濱田君が『台本に書いてあるからやったんです!!』とムキになって応じてくれた。その様子がおかしかったんでしょうね、このやりとりのおかげで結構記事を書いてもらえました。その後の各地の舞台挨拶でも胸の話ばかり質問されて、彼は大変そうでしたけど(笑)」。ちなみに濱田さんとのタッグは同作で5作目。役者との仲の良さも垣間見えるエピソードである。

そんな中村監督、実はテレビCMなど広告の仕事はこれまで経験がない。PR視点を持ちあわせた監督だけに、広告の仕事への興味というのは気になるところである。「広告のお仕事のオファーは、いただいたことがないんですよ。今回、『宣伝会議』という雑誌も初めて知りました。ええ、お仕事はいただけるならもちろん撮りますよ!あ、出演の依頼も大歓迎です。そうだな、僕が出るなら…ビールのCMがいいですね。どうぞよろしくお願いします(笑)」。

ツイッターで作品の評判をチェックすることも。「僕の作品は原作ものが多いので、原作ファンに叩かれて腹を立てたりね(笑)。匿名でつぶやく彼らは自分の目の前5センチくらいしか見えてないんだな、と。そういう思いを、本作のラストシーンにも込めました」。

canne_lead