コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

高崎卓馬×岸勇希×嶋浩一郎が広告の未来を語る——ぶっちゃけ!ライブ開催

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キーワード3:「ラジオと雑誌」

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嶋:表現とメディアは一体化して考えられた方がいい。

もちろん、すごく強いCMなら、どの時間にどの局で流れても構わないかもしれない。でも、どんな表現がどんな媒体に乗るのか組み合わせることでコミュニケーションの効果はまったく違う。

クリエイターがメディアに精通してその選択ができるようにならなければいけないわけですが、そこができる人がまだ全然少ないと思うんです。

それから、まず広告会社のメディアマンはエクセルで媒体を売るのをやめたほうがいい。

ターゲット別に部数と価格が並んでいるあれです。そもそも、エクセルで選ぶ以前に自分の担当している商品は『ESSE』に載るべきか、『VERY』に載るべきか分からなければダメだろうと思うわけです。

岸:表現とメディア、出すタイミングの重要性は何年も前から言われ続けているのに、なぜ変わらないんでしょう?

博報堂ケトル 嶋 浩一郎 氏

嶋:文脈ではなく、スペースを売っているからだと思います。

部数は低いけれど、こういう主婦が絶対に読んでいるという文脈があれば、部数の多い雑誌より高い金額を出しても構わないということだってあるはず。雑誌の編集部に調査を頼むといった実験的なことがされていくべきだと思うんです。

広告会社にとってメディアはすごく大事で、そのメディアが生きていくためのアイデアも僕らは出していかないと。ラジオも雑誌も、換金できる能力がもっとたくさんあるはずだと思っています。

岸:トヨタの「AQUA SOCIAL FES!!」というイベントで全国巡回していった時も、地域を一番知っているコンサルとして新聞社に入ってもらいました。そういうマネタイズはもっとできるはずですよね。

キーワード4:「寛容(炎上と拡散)」

高崎:「炎上」と「拡散」は実は似ていると思います。

正体は同調圧力。「いい」と言わないといけない圧力が発生するか、「ダメ」と言わないといけない圧力が発生するかの違いではないかと。そのシステムはもう世の中に存在している。そのなかで圧力に流される怖さを感じる必要はあります。

嶋:同調圧力がある中で、広告である主張をしなければならない状況って本当に難しいですよね。迎合するのか、あえてそこに反することをCMでバーンと言ってしまった方がいいのか。

これからメッセージを開発していく上で避けて通れないテーマです。

岸:クレームによってオンエアが中止になるような案件も多いですよね。一般の人から見れば「どこがクレームになったんだろう?」と思うようなケースばかり。寛容さが失われているんだと思います。

全く刺激がないものは、振り向いてももらえないわけで…。その中でどうやって拡散というものを味方にし、クライアントをリスクから守るのかを僕たちは考えないといけない。

高崎:機転をもって上手に切り返してやっていくスキルが要る。むしろ危機を逆転できるかどうかのスキルを僕たちやクライアントが持つ必要がある。

嶋:広告もアンコントローラブルな世界を相手に戦わなければいけない時代になった、ということですね。

高崎:今、クレームも「いいね!」もどんどん均質化しています。

僕たちが同じ均質化された回路でものをつくっていたら表現は死にます。簡単に言うと皆がいいと言ってるならなんか違うんじゃないかと思う天邪鬼スイッチを持つ必要はすごくある。

それがこれから生きて行く僕らの資質のひとつになると思う。

岸:いま「フォーグッド」的なものがすごく増えていますよね。世の中を良くしようという気持ちももちろんありつつも、こういうテーマならクレームが来ない、という落としどころになっている気もするんです。でも、改めて、攻め続けて行きたいですね。

次ページ 「キーワード5:「バイオミミクリー」」に続く

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