“アフリカ”に捉われすぎないブランドづくり
次に、アフリカに関連した仕事として、2つの事例を紹介します。
アフリカデザインという社名のおかげで、「アフリカ」「デザイン」と検索してたどり着いていただけるようで、意外なつながりが多く、非常に楽しく提案をさせていただいています。
ひとつは「真面綿(まじめん)」のプロジェクトです。真面綿はウガンダのオーガニックコットンを使った高品質なタオルなどのコットン製品ブランドです。アフリカデザインという名前のご縁で、仕事をご依頼いただきました。
同ブランドは、コットン製品に対する作り手のこだわりが真面目すぎる、というのが特徴。綿を織る工程での洗浄に使う水をオーガニックにするために井戸を掘り、そのときに使うオーガニック石けんをオリジナルでつくり、糸に負担をかけない織速度の遅い旧式の機械を導入。ついに自作のソーラー発電機も設置しフルオーガニックとなりました。商品は、素人の私でも他製品との違いがわかるほど、強い弾力のある柔らかいタオルでした。
元々は通販サイトをリニューアルしたいという依頼だったのですが、私自身の通販サイトでいくつかの新規ブランドを単独サイトで展開し、どれもすぐにはうまくいかなかった経験から、たとえ商品の品質が良くても、Webをリニューアルしただけでは売れないということがわかっていたので、きちんと他社と差別化したブランドをつくって、ギフトショーに出展をすることから提案しました。
もうひとつが、ウガンダで獣医師のキャリアをスタートした社長・松波登記臣さんが経営する動物病院「松波動物病院」です。
社長就任前から松波先生が指揮をとる形でデザインを多く取り入れており、公式サイトやパンフレット、ポスターで、これまでとは少し変わった病院の体制を、私も含めいくつかのデザイン会社が関わり発信しています。
私の関わったデザインの一つが、海外の犬用サプリの国内用パッケージ。松波先生が、年をとってきた愛犬のために使っていた海外の犬用サプリを日本で発売にするにあたってデザインした、日本限定のパッケージです。犬用のサプリは病院で処方されることが多いのですが、「飼い主が愛犬のことを思って、自分で選べるサプリを提供したい」との松波先生の想いから、実現に至りました。目的を直感しやすく、間違わないよう、色と擬音で表現しています。また、通販で取り扱うことも意識して、買い物カゴの中でも視認しやすいフォントサイズを意識しました。
また、ペットの預かりサービスの告知も行いました。「キンダーガーテン」というサービス名から、幼犬向けのサービスと思われないよう、色々な犬の写真を使用。実際に病院に来ている犬を撮影し、バッジなどのグッズを展開することで口コミが広がるきっかけをつくっています。
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