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コラム

企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方

「リーダーに求めるのは教養、計数感覚、人格力」——コマースニジュウイチ 玉井社長に聞く

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【前回のコラム】「「相互理解と人間構築力、人としての魅力がリーダーには必要」 ——イー・ガーディアン 高谷社長に聞く」はこちら

時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代となってきている。
このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのかなど、企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。
今回は、ECサイト構築に関するソフトウェア開発・販売、サービスの提供などを手掛け、今年3月27日に社長に就任した、コマースニジュウイチ 代表取締役社長 玉井邦昌氏に聞いた。

まず教養を高めることが大切

コマースニジュウイチ 代表取締役社長 玉井 邦昌 氏

——貴社が社員に対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?

私がリーダーに求めていることは三つあります。一つ目は教養。仕事だけではなく、いろいろなことに興味関心を持ってほしいと思っています。二つ目は、計数感覚、ファイナンスリテラシーです。今の時代、数字に強くないと勝ち残るのは難しい。損益分岐点などをすぐに理解できるようでないといけません。三つ目が、人格の力です。当社は、技術系の会社なので、当然技術力は大事にしていますが、結局、技術力・営業力があったとしても、この三つがなければリーダーは勤まらないと思っています。

——その三つを大切に考えている理由を教えてください。

一つ目の「教養」について言えば、もはや世の中で全く新しいものが見つかることは本当にまれで、新しいことは基本的に何かと何かを組み合わせて編集していでてきているからです。だから、雑学というレベルではなく、本当に深いところまで意味を理解して、幅広い分野について教養があるというのはとても大事で、これを第一に考えています。

教養が深まると、商売の流れ「商流」が読めるようになってくる。どこでお金とモノが流れ、儲けになっているかということです。そうすると、二つ目にあげた数字に対して強くなければいけない。特に、損益分岐点を意識して考えているかどうかは非常に大切だと思います。実は損益分岐点をもとにして考えることはマーケティングにものすごく役に立っていて「なぜ、そのようなやり方で市場シェアが取れるのか?」といった仮説検証が行いやすいのです。

そして三つ目の「人格の力」。頭の良い人というのは、先進的な考えができると同時に、その際のネガティブな場面も想定していることが多いと思います。それはリスクを認識する能力を持っているということにもなるから、決して悪いことではないんですが、世の中は明るい人の方が、物事が前向きに進みますよね。

だから、そういう気持ちをグッと抑えて、なおかつそこから目指すゴールまで持って行くには、相当な精神力が必要だと思います。批判ではなく、前向きな提案をするにはものすごくエネルギーがいりますから、人格の力がなければ難しい。だから大切だと考えているのです。

次ページ 「大幅な権限委譲とプロセス評価で力を引き出す」に続く