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情報発信には、しっかりとしたマーケティングが不可欠―堀江貴文氏 アドタイ特別インタビュー

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中小企業でも成功できる

それでは、認知度の低い中小企業の場合はどうでしょう。僕は、自分の活動を網羅的に集約したWebサイト『ホリエモンドットコム』を運営していますが、その中でAGICA(アジカ)という、加齢臭を軽減する石鹸を通販で販売しているブランドを扱っています。他社商品は「柿渋」が原料に使われることが多いのですが、この商品は銀イオンと竹炭を採用しています。他社より価格は高いですが、品質に関する評価が高く、口コミで徐々に広がっていきました。年間30個しか売れなかった石鹸がいまや月に数千個を売り上げるまでの人気になっています。この場合は、特別な仕掛けをしたわけではありませんが商品力が話題を生み、情報拡散のネタになったのだと思います。ネットが登場する以前は、大量に広告を投下する大手企業を前に、商品力に優れた中小企業は戦う術がありませんでした。口コミもコンテンツの一つと捉えると、中小企業にとっての新しい戦い方も見えてくるのではないでしょうか。

このように、“必ず成功する”という正解はありません。当たり前ですが、状況や商品に合わせて一つひとつマーケティングして、知恵を絞るしか方法はないと思います。

「泣けるテレビCM」が話題に

効果的な情報配信のアイデアを考える際に必要なのは、「世の中のメディアの状況を常に把握する」ことです。現在のアーリーアダプターは新聞ではなく、ウェブから情報を得ています。もう有益な情報は与えられるものではなく、自分で取りに行くものになっているんですね。逆に、受動的に情報を得るタイプの人はテレビをよく見ています。こういった層には、まだテレビCMは有効です。情報がどのメディアからどのメディアへ伝播していくのか、その流れも把握しておくとテレビCMの効果は、さらに高まります。例えば、「泣けるテレビCM」で話題になった盛岡の音楽教室・東山堂が良い例です。娘の結婚式でピアノを弾く父親、その曲は亡くなった母親との思い出の曲、という本当に泣けるCMです。CM制作費をかけて、コンテンツ力を高めることで、たとえローカル局で1〜2回しか流さなかったとしても、良いものであればYoutubeで再生され、企業のブランディングになります。

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