日本出版販売は、10月1日より文庫の売り伸ばし企画「傑作宣言プロモーション」を開始する。参加書店数は2000店舗を超え、書店フェアとしては過去最大規模の取り組みとなる。
全国の書店員が好きな作家を指名し、その代表作から本当に面白いと思う本を「傑作宣言」し、プロモーションする。従来のフェアは、版元や出版社が対象商品を選定する方法が一般的だったが、本企画は書店員が売りたい作家・作品を選定する。そのため、各々の書店の意向を反映しやすい形となっている。さらに、各作家の「代表作」だけでなく、その次に読んでほしい「次の一冊」も同時に紹介する点が独特だ。
まずは日販と講談社で、候補作家24人と各代表作・次の一冊を選定し、書店員が24人の候補作家の中からそれぞれ10人を指名する。書店では指名した作家の代表作を大々的に展開するとともに、次の一冊へと誘導する売場作りを行う。こうした取り組みによって作家のファンを育て、著者買いによる売り伸ばしを狙う。
10月のプロモーション開始に先立ち、8月に参加書店から各指名作家の「代表作」と「次の一冊」の注文を受け付けた。10月からドラマ化が控える『すべてがFになる』(森博嗣著)などの話題作や、『小暮写眞館』(宮部みゆき著)、『流星ワゴン』(重松清著)などの近年のベストセラーが多く入った一方で、『占星術殺人事件』(島田荘司著)、『十角館の殺人』(綾辻行人著)といった20年以上前の名作も上位にランクインしており、ロングセラー商品の再ブレイクが期待されている。
実施期間は2014年10月1日から2015年3月31日までの6カ月間。以降も継続的な施策にしていくという。
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