コラム

宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-

オンラインビデオマーケティングの本格化と日本版MCNの登場–—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から

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ディズニーが900億円を投じ、MakerStudioを買収した理由

さて、昨年ディズニーが日本円で約900億円を投じて買収したMakerStudioという企業がある。いわゆるマルチチャンネルネットワークという業態である。コンテンツの総本山のディズニーが、(しかもABCというTV局を保有しているディズニーが)どうしてこのMCNを買収したのか。

その背景には、Disney.comのアクセスがガタ落ちになっており、傘下のABC、ESPN、Disney Channelの10代のターゲットの落ち込みが激しいことがある。ハイエンドなコンテンツ制作能力はあっても、それだけでは限界があり、MakerStudioを取り込んだ。

月間55億回のビデオビューがあり、3億8000万人が視聴登録し、米国だけでも月間2600万人がアクティブユーザー、5万5000人のYoutuberのチャンネルを囲っている。つまり、Youtuberのその先の何億という視聴者を握っているテクノロジー企業である。

ディズニーはこの視聴者を買いに行ったといっても過言ではない。すでに66億円ものファンド資金が入っていたが、900億円も出して買った。

MakerStudioのパートナーとして掲載している企業はディズニーだけでなく、ワーナー、ユニバーサル、ソニーピクチャーズ、メーカーもペプシやマテル、KIA自動車、小売りではTARGET、エージェンシーではピュビリシス、マインドシェア、スターコム、AKQAほか多数である。

有力なエージェンシーがすでに多数パートナーになっているのも、オンラインビデオマーケティングのチャネルをYouTube以外にも持ちたいという意識が表れている。YouTube単体だけを追いかけない。『Off YouTube』がキーワードである。

もちろん入口(リーチさせ、認知させる)としてのYouTubeを否定はしないものの、Googleのエコシステムに支配される以外のところでも、チャネルづくりとその視聴者の争奪戦が始まっていると言える。

次ページ 「オンラインビデオマーケティングの本筋は」へ続く

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