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コピーライターはキャバクラ嬢と似ている?——若手トップクリエイターたちによる特別座談会(2)

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「自分ならではの戦い方」とは。

—こういうやり方で仕事やコピーを見つけてきたという、他のコピーライターとは違う戦い方はありますか?

小藥:下東さんから、コピーライターはキャバ嬢のような客商売だという話がありましたが、その通りだと思います。自分で何かを生み出す力がある人は、作家さんとかそういう職業に就いているわけで、僕達コピーライターは、誰かにこういう仕事をしてくださいと言われて初めて仕事が始まる。コピーライターはその人それぞれキャラクターがあって、能力はそこまでかもしれないけれど文句言わずに300案書いてくる努力家タイプだったり、すごく可愛くて仕事終わった後に一緒に飲みに行きたいような女性もいっぱい仕事を誘われるでしょうし、下東さんみたいに優秀でアサインされる人もいる。

でも結局、あまり流されないのが大事だと思うんですよね。人それぞれいるので、あんまり気にしないっていう。「自分は自分です」ってところでしかないと思います。色々周りに嫉妬や疑問はあるとは思うんですけど、気にしないで、自分の芯でやっていくっていうのがいいような気がします。

阿部:僕は明確に、「足で稼ぐ」をやっています。なるべくコピーライターがいないところに行った方がいい。今だと大きなキャンペーンは、おのずと上の方から仕事が振られていくという、下の者からすると悔しいような状況があるので、若いコピーライターは大御所の下につくか、もしくは違う戦い方をするしかない。

僕はコピーライターのいないところに行って、「自分がコピー書きます」って言って、書くのが一番いい仕事ができると思い、色んな所に飛びこんで行って、色んな人に会いに行って、自分の名前を売り込むというのをやってきました。

コピーライター自身がコピーになれたらと思うんです。人の心を動かして、社会を動かすのがコピー。でもコピーを書かなくても、自分が動くことでそうなれればいい。人に会い、伝える自分もコピーと考えてみる。だからこそ僕は、手と足で稼ぐことを意識しています。コピーライターがいないところってたくさんあるので、めちゃくちゃチャンスがあるし、色んな所に言葉の力を届けに行って仕事するっていうのはどんどんやったほうがいいと思います。

下東:他のコピーライターと違う戦い方と言われても、そもそも他のコピーライターがどう戦っているのかよく知らないので、それと違う戦い方っていうの自体がよくわからない。まあ、その上で僕の考え方を言うと、あるコピーがあった時に、なんでそのコピーがいいのかっていうのを、めちゃめちゃ説明する自信だけはあります。そこを意識しているっていうのだけでも、他のコピーライターとの差にはなると思う。例えば自分のコピーじゃなくても、そこの本棚にある本のタイトルについて、何がいいのかっていうのを、15分くらい時間もらえたらシートにまとめて説明できる。

小藥:そもそも、下東さんは普段から他のコピーライターに興味ありますか?この質問って普段から他のコピーライターを意識していないとだめだと思うんですけど。

下東:うーん、そんな意識してないかも。ていうか、わからない。一緒に仕事しないから。コピーライターが書いた本とかを読んでも、意外と核心はわからないというか。だから興味はあっても、知るチャンスがない。

※(3)につづく


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阿部 広太郎
電通 コピーライター

1986年生まれ。2008年に電通入社。人事を経て、コピーライターに。東京コピーライターズクラブ会員、30オトコを応援するプロジェクトチーム「THINK30」所属。企画し、コピーを書き、人に会い、繋ぎ、仕事をつくる。言葉を味方に、大きな問題を発見して解く。全部やる。 最近の仕事は、東進「いつやるか?今でしょ!」、コロワイド「太郎割」キャンペーン、ロックバンド「クリープハイプ」プロジェクト、ミスiDオーディション「すべての女の子はアイドルである。」、映画『ワンダフルワールドエンド』「さよなら、男ども。」、赤塚不二夫のフジオ・プロ「へんな子ちゃん」編集、ルーミート(カンガルー肉)を日本に広めるプロジェクトなど。連載「待っていても、はじまらない。」

小藥 元
meet & meet コピーライター

1983年1月1日生まれ。早大卒業後、05年博報堂入社。14年独立、meet&meet設立。東京コピーライターズクラブ会員。Gabaマンツーマン英会話「正解はひとつではない英会話を。」「重い腰をあげると、見晴らしがよくなりますよ。」、モスバーガー×ミスタードーナツ「MOSDO!」、マイケル・ジャクソン遺品展「星になっても、月を歩くだろう。」、フジテレビ×嵐「福嵐」、NATURAL BEAUTY BASIC「THINK BASIC.」「story&you」、ランドクルーザー「愛と厳しさが、強くさせる。」日産エルグランド「憧れるか、憧れられるか。」、コメダ珈琲「チョコラート」「ジェリコ」、ハワイ州観光局「自然は、地球を作ることをやめない。」他。著書「あなたがいるから、僕たちが生まれた。」

下東 史明
博報堂 コピーライター

1981年 京都市生まれ。2004年 東京大学法学部卒業。同年(株)博報堂入社。第四制作局、第一クリエイティブセンターを経て現在、第一クリエイティブ局。主な仕事にMINTIA/「俺は持ってる。」、一本満足バー/「まんまん満足。」、カルピスウォーター/「私は好きだから。」、GABA/「ハイ、そこでGABA。」、進研ゼミ小学講座/「実にてあつい!」、イエローハット/全キャンペーン「タイヤ、で選ぶならイエローハット」、日産自動車/販促キャンペーン「ノッテコニッサン」、DeNA/三国志ロワイヤル「みんなのサンロワ」「謎の一言」、DoClasse/「イナハナハハ」、NPO法人GreenBird/「ポイ捨てカッコ悪い」「ポイ捨て反対」、ロッテ爽/「シャキッと爽やか」「シャキキキーン」、味の素/「スープDELI」ネーミング、NTTグループ/環境スローガン「つなぐ。それは、ECO」、住友商事/採用スローガン「もがき楽しめ。」、JT/採用スローガン「まだJTにないものを。まだJTにいない人を。」、サントリー/胡麻麦茶「血圧川柳」キャンペーン 「高橋克実さん」キャンペーン、MUFGカード/「一生つきあえる」、アストラゼネカ/逆流性食道炎キャンペーン、映画「超高速参勤交代」/「このミッション、インポシブルです!」、ゼンリンデータコム/「この国に迷いがある限り。」ほか。受賞歴にTCC新人賞、TCC審査委員長賞、ヤングカンヌ日本代表、JR東日本ポスターグランプリ金賞、日経広告賞、One Show(Merit)、新聞広告朝日賞、アジア太平洋広告祭ブロンズ、交通広告グランプリ作品賞。著書に『あたまの地図帳』(朝日出版社)、『トレインイロ』(朝日出版社)明治大学非常勤講師、TCC賞審査員、宣伝会議賞審査員も務める。

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