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3月、4月のコトを軸としたMD提案のポイントとは?

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中村耕史(クックパッド トレンド調査ラボ 調査室長)

ここでは、『販促会議』2015年2月号に掲載された連載「コトを軸としたMD提案のポイントとは?」を紹介します。

年々検索頻度が高まる「リメイク」と「アレンジ」

クックパッドでは、メニューや食材といった“モノ”だけでなく、“コト”の検索も多く行われている。これまでも、イベント名と組み合わせて検索されるメニューや、「夏休み」のようなシーンと組み合わせて検索されるキーワードを紹介してきた。

こういったコトを軸としたMD提案は、従来のメニュー調査やPOSデータからは見ることができない検索データならではのものだといえる。

今回は、年々検索頻度が高くなっている「リメイク」「アレンジ」といったコトを軸としたMD提案のヒントを紹介する。

「リメイク」は2012年から、残った料理をおいしく食べきるというコトを表すキーワードとして登場した。「カレー」「肉じゃが」「シチュー」といった、まとめて作ることが多いメニューが定番の組み合わせだ。これらと、お惣菜でも人気の「から揚げ」「コロッケ」と組み合わせて検索される割合が年々増加しているのは、調味料メーカーだけでなく、コンビニや中食各社にも「リメイク」シーンを取り込む余地があることを示していると考えられる。

「アレンジ」は、翌2013年から検索頻度が一気に高まった。バリエーションがありそうだが自分では思いつかないメニューと組み合わせて検索されることが多く、「食パン」「焼きそば」「うどん」といったメニューと組み合わされて検索されることが多い。また、「そうめん」や「お餅」といった季節性が強くやや余りがちな食材と組み合わせて検索される割合も年々高まっていることから、季節の提案においても一考に値するテーマになっているといえるだろう。

検索データから見える3月、4月のイベントMD施策

3月の食関連イベントとして最も大きな「ホワイトデー」は「クッキー」「マシュマロ」「スノーボール」といった菓子と組み合わせて検索される事が多い。ほかのイベントに比べて食事メニューの検索が極めて少なく、食事と連動した企画は私自身店頭で目にしたことがない。しかしながら、「ディナー/夕食」は「ホワイトデー」と組み合わされる単語として15位以内と比較的高く、その検索頻度は増加傾向にあることから提案余地がある領域だ。このように食卓出現頻度のような結果データだけでは見られない提案余地の発見を、店舗側に「MD提案」という形でしっかりと伝えることが、新しい売り場づくりにつながる。

2015年は4月5日となる「イースター」は、検索頻度が年々高まっている季節のイベントだ。組み合わされて検索されるキーワードは、「お菓子」「キャラクター」「お弁当」が上位となり、ハロウィンと類似している。「タマゴ」や「うさぎ」といったシンボリックなキーワードは上位にランクインしているものの、メニューは「デビルドエッグ」「コロッケ」「キッシュ」といった卵を多く使ったり、卵に見立てられるメニューが散見されるくらいでこれといったものが確立していない状況だ。「ハム」「ラム肉」といった、イースターの根付いた地域で伝統的なイースター料理の材料として使われている食材も組み合わせて検索されている。

こういった情報を元に、卵やお菓子コーナー以外でも売り場づくりが行われるようになれば、イースターも春の食イベントとして定番化していくのではないだろうか。

たべみるデータ概要/集計対象:クックパッドにユーザー登録をしている人の検索キーワード/データ期間:2009年1月1日~前日

データを理解するうえでの用語解説

季節指数:SI値の年間平均を100とした、集計期間における値。掲載ランキングデータのように季節感を把握する際に利用できる。

次ページ 「組み合わせ検索語による食シーン把握と商品開発」へ続く