【前回のコラム】「「リーダーの役割は、ビジョンを魅力的なストーリーにして語ること」——DNPデジタルコム 福田社長に聞く」はこちら
このコラムでは、企業のトップに対して、人材育成について考えていることや実践していることを聞いていく。その中で、「マーケティング思考ができて、なおかつ実際に行動に移すことができる人材」を育成するにはどうすればいいのかを探っていきたい。
今回は、コンテンツの企画・制作から運用まで、コンテンツマーケティング支援サービスを一括して提供している、イノーバの代表取締役社長 宗像 淳 氏に聞いた。
情報開示・共有の機会増加で社員のアクションを促す
——貴社がリーダーに対して“求めている力”とは、どのようなものでしょうか?
視座と能力的なものとの二つがあります。視座においては「自分よりひとつ上の役職の発想で動けるようになること」が大事だと考えていて、社員にも伝えています。当社には「将来は自身で会社を立ち上げたい」と考えている人も多くいます。そこで、上の立場の考え方を学ぶ機会として、会社の情報や取締役会での発言、議事録資料などをできるだけ共有するようにしています。「全社員が経営者の立場を疑似体験できる場」をできるだけ多くつくりたいと考えています。
この視座を持っていたうえで、もう一つ「会社や経営者のビジョンを具現化する力」を求めています。いわば、「ビジョンを相手に分かりやすく翻訳して伝える力」です。特にチームを率いるリーダーにとって、この力はとても重要です。例えば今の若い人は、ただ「この仕事をしなさい」と指示だけをしてしまうと、どうしてもこなすだけという受身の姿勢になってしまい、仕事の意味を自身で考えない人も多い。したがって「あなたに指示した仕事は会社としてはこういう目的・意味があり、この仕事をすることは、あなたにとってもこんな面を伸ばすことにつながる」といった具合に、うまく意味付けしてあげないといけない。
——情報は開示されているから、希望して自らアクションすれば、いつでもアクセスできる環境をつくっているわけですね。
まだそこまでではありませんが、そういう環境を実現したいと思っています。それ以外には、リアルな情報共有の機会を意識的に増やしています。全社員が集まる朝礼時間を毎日5分ほど設けたり、共有ミーティングを毎週30分ほど行ったりしています。また月に1回、全体での月末会議を行っていて、このときは会議の後に食事も行い、2~3時間ほどの長さです。
私は以前に社員数が多い企業に勤めていましたが、そこでは上司との面談や部門単位での懇親会はありましたが、ほかの部門との情報共有自体はそれほどありませんでした。だから、なるべく全社でのコミュニケーションを増やしたいと思いこのような仕組みにしています。
「企業トップが語る“次世代リーダー”の育て方」バックナンバー
- 「自分が感動できるような仕事をすること」——Kaizen Platform, Inc. 須藤CEOに聞く(2015/8/26)
- 「『俯瞰で捉える力』を生かしプロとしての専門性を高めてほしい」——メジャース 山本社長に聞く(2015/7/07)
- 「プロとしての誇りを持ち、もっと自らを肯定して仕事に臨んでほしい」ーベクトル西江社長に聞く(2015/6/10)
- 「新卒研修を半年実施し高い目線で考えることを学ぶ」——ネットプロテクションズ 柴田社長に聞く(2015/5/22)
- 「与えられたポジションに対して力が足りないほど、その差を埋めるスピードはあがる」――エンターモーション 島田社長に聞く(2015/4/30)
- 「“べき”ではなく“たい”が新しい価値を生み出す」——インフォテリア 平野社長に聞く(2015/4/20)
- 「創造力を駆使して顧客に期待以上の提案ができるか」——ビートレンド 井上社長に聞く(2015/4/07)
- 「情熱をもって行動し、その熱量で周囲を引っ張っていけるのがリーダー」——カタリナ マーケティング ジャパン 若林社長に聞く(2015/2/26)
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